オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび555

ヨハン・ガルトゥング「日本人のための平和論」を読む1

 


不可逆=元に戻せない判断や行動から作者は語り始める。戦争は多くの命を奪い、その命は二度と戻ってこない。アメリカと一体化することこそが日本を守る唯一の方法であると多くの日本人が、少なくとも政権を預かる為政者が信じこんでいる。作者はそれに代わる代替案を本書で語っている。そもそも「積極的平和」という概念を提唱した人は著者だったのだ。それを我が国のA首相が歪んだ用法で語っていることにも思うところがあるようだ。

米軍基地の撤退を要求せよ! とか、沖縄(琉球)を東北アジア共同体の中心に! という主張は、「結局はアメリカのいうことを聞いているのが一番安全なのさ」と信じ込んでいる人にとっては刺激的だろう。

続いて専守防衛と自衛の違いを説明する。そして長距離兵器と短距離兵器の保有について、他国を過剰に刺激する長距離兵器の保有は、専守防衛にそぐわないと言う。我が国はだいぶ前から長距離兵器を保有している事実がある。自国を守りきることに成功しているスイスの例を引き合いに出す。ナポレオンが占領を諦め、ヒトラーも手を出せなかった歴史的な事実を元に防衛のあり方を示しているのだ。

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