オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび561

田勢康弘島倉千代子という人生」を読む2

 

島倉千代子は色紙に「まず 動け」と書く。およそ流行歌手らしくない。けれど芸能界の荒波を乗り越えてきた芯の強さが感じられる。

天才少女歌手美空ひばりに憧れて(歌手になってからも島倉はずっと「ひばり先輩」を慕い続けている)、北品川の橋で物真似を歌っていた女の子は、やがてひばりに代わって紅白のトリを務める歌手になる。

追随不可能な資質と能力で、流行歌手として歌えるジャンルをレパートリーにした美空ひばり。声域の広さ=低音域の豊かさ、ファルセットへの切り替えの上手さ、こぶしを始めとする優れた歌唱技術、全てに卓越していたひばり。比べて島倉は、高音域こそ独特のクリスタルな声質を持っているが、他の技術は美空ひばりに及ばない。それでも彼女が美空ひばりに比肩する歌手となったのは、自分の資質能力でどこまで表現できるかを徹底的に追究した証だと思う。自分が持っている技能の範囲で、どれだけ音楽を豊かに表現できるか? が考え所なのであります。しかし、その一途な姿勢が完璧主義となり、精神的に島倉自身が島倉を追い詰めてしまったことがあるようだ。

一途と言えば、なぜ島倉千代子は膨大な借金の返済に追われた生活を続けていたのか? 人を信じ込みやすい→騙されやすい傾向があったことを筆者は指摘する。だからあれだけの大スターでいながら、衣食住は極めて質素であったという。

まるでデビューして間もない歌手のように舞台で緊張する様子が描かれる。ボク自身もアカペラや琵琶や男声合唱でステージに上がることがあるけれど、この緊張感との付き合い方はいつも微妙なのだ。その日の体調によって声は変化するし、琵琶の場合は特に楽器も変化してしまう。でも反対側から考えれば、だからこそその日その時間にしか歌えない表現ができるのだとも言える。神経質なまでの島倉千代子もきっとその日の歌に賭ける心構えの表れなのかもしれない。

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火の酒

 


https://youtu.be/jqotxLyGQik

 

 

 

紅葉 作曲は吉田拓郎

 


https://youtu.be/sxM1qNlqUHg

 


人生はショータイム

 


https://youtu.be/bfKyMKT8pzM