古賀慎一郎「ちあきなおみ 沈黙の理由」を読む1
筆者は8年間ちあきなおみの付き人をしていた人。ちあきなおみのパートナーである郷さんとの思い出や仕事上の失敗談を語っている。
ちあきなおみが「朝日のあたる家」をマイクなしで歌う場面が出てくる。YouTube動画でさえ、凄い表現力が伝わってくるのだけど、至近距離で生声で聴いたらどんなに心を揺さぶられることだろう!
この曲は定番アニマルズの演奏が印象に残っていたのだけれど、ボクの曲のイメージはガラッと変わってしまった。日本人歌手では内田裕也を始めとする歌手の持ちネタだったけれど、どうしてもロックの叫びにしてしまう。ちあきなおみは、それを一人の女性の生き様として演じ歌ったのだ。
朝日のあたる家
民謡歌手伊藤多喜雄と「ダンチョネ節」をコラボする場面が語られる。(伊藤多喜雄さんと言えば、日本中の子どもたちが踊っている「南中ソーラン」を思い出す)ちあきなおみは美空ひばりと同様で、いわゆるジャンルという括りが意味をなさない歌手なのだ。
細川たかしが歌った「矢切の渡し」は、元々ちあきなおみの持ち歌だったと初めて知った! 船村徹さんはちあきなおみを「音符の裏側が読める」歌手と評したと言う。