オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび569

青木栄一「文部科学省」を読む2

 


文科省と教育現場のギクシャクぶりは、日教組vs文部省+中教審の時代、ゆとり教育から学力向上への大転換期、肝心の制度や予算が中央集権なので今後もずっと続くのだろう。

さて教員の待遇について。40年以上放置されてきた給特法がようやく議論され始めたようだが、その40年間、時には月に100時間を超える勤務をずっと続けていた私などには、もはや何の見返りもない。私は思う。まず長時間労働の根元を断つことが先であろうと。しっかり授業の準備をして、授業を行い、子どもたちへのみとりと評価がしっかりできれば、それで十分だとしなければならない。

まず勇気を持って、子どもたちに直接還元されない事務や行事をなくすべきであります。とりわけ会議はいろいろな諸課題がトップダウンで現場に降りてくるたびに増え続けてきましたが、月に一度の職員会議程度にして、あとは無くす。研究研修は自分で課題を設定して各自で取り組む。むしろそれよりも優先すべきは主役である児童生徒情報の共有だと感じます。行事は、例えば小学校の一大行事である運動会などは地域連携を強めて、会場設営や種目も全世代参加にしてはどうか? 部活や長期休業中の水泳指導などは、極力地域のインストラクター・指導者に依頼する。

教員の仕事と少しスライドしますがPTA活動のオンライン化ができないでしょうか? 役員の成り手がただでさえ少ないのに、わざわざ学校にいらして活動を維持していらっしゃる。オンラインで可能なことはどんどん変えてしまえば、どちらかと言うと参加率が低い傾向の父親への対策になるのではなかろうか? とこんな具合に「こうすればいい、ああすればいい」というアイディアが出ても、なかなか実現しないし、もしできたとしても長続きしないことが多い気がします。

末端の現場で仕事を続けてきたから感じるのかもしれないけれど、本書を読んで官僚機構によるトップダウン方式には乗り越えられない限界が横たわっていると思う。横並び=全国一斉同一内容の教育を守り続ける以上、仕方ないのかもしれないけれど。

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