オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび568

青木栄一「文部科学省」を読む1

 


学校にいただくご相談で、埒が開かないと「教育委員会に電話する!」と曰う方がいらっしゃる。けれど「文科省に電話する!」という電話を受けた経験はない。この一種ヒエラルキーのような仕組みは何なのだ?

もう一つ疑問に感じているのは、大学の教育学部。いわゆる旧帝大教育学部には現場教員を養成するシステムがない。私は横国大の教育学部に通っていたのだけど、旧帝大ではないので現場教員を養成するミッションが機能していた。この分け方は何なのだ? 旧帝大教育学部は、どのような人材を輩出してきたのか? 教員人材が不足している現在このような在り方でよいのか? ちなみに教官という言葉は、法人化される前の国立大学教員は、国家公務員=教える官僚だったからなのですね。

本書の前半二章は文科省の組織と内部での人事について書かれている。今後文科省で働いてみたい方にはお勧めだが、大多数の一般人にはあまり縁がない。ただ科学技術政策の面で文部省から文部科学省に変わったことのメリットは理解できた。日本中の教員に関わるのは、義務教育国庫負担金の話題から始まる。日本中の教育の質を均等化するために教育内容では学習指導要領と検定教科書があり、教員の待遇面では国庫負担金がある。さらに学校施設に対して公立学校施設整備費負担金という制度がある。

至れり尽せりのようだが、教育の質の均等化は見果てぬ夢のような話で、クラス担任が発表されると子どもの前で「アタリ!」と言う親が昭和の頃からいた。アタリがいればハズレもあるのだ。しかも昨今教員試験の競争率がとても低く、現場では初任者育成に力を入れているが、いずれ影響は出るだろう。

教員の待遇改善については、次回のオヤジのあくびで。

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