やっぱり「ひょうたん島」の話から。「チロリン村」から続けて音楽を担当したのは宇野誠一郎さん。「真面目なものを真面目に」がチロリン村なら「真面目なものを不真面目に」がひょうたん島の精神だと話される。脚本担当の井上ひさしさんの影響も大きいようだ。
声優さんたちが直接歌を歌うミュージカルだからこそ心の躍動や衰退の波を表現できるのだとおっしゃる。例えばサンデー先生の「勉強なさい」の「い」は「イヤな」「やりたくない」の「い」なのだと伝えていたそうだ。また主題歌を歌った前川さんは当時中学1年だった! 子供向け番組の主題歌でソロで歌ったのは前例がなかったという。
ひょうたん島の主題歌は「どこへ行くのか、わからない。目標もないけれど、とりあえず進め」を歌っているが、それは当時の日本の姿。(←今も?)それでもやっぱりアメリカを意識してしまう。それでいいのか? と揺れ動く葛藤。主題歌の前奏はアメリカ的なサウンドだけど、トロンボーンの低音でそれを切っていると解説してくれています。
続いて中山千夏さんと人形劇団ひとみ座の須田綸太郎さんの対談になり、マジョリカが井上・山元コンビが渡り歩いていた喫茶店の名前だったことが明かされる。あてもなく漂流するひょうたん島。いろんな肌合いの人間、いろいろな癖をもった人間たちが仲良く漂流する。互いの違いを認め合いながら異質なものを排除せず団結していくのが「ひょうたん島」のテーマと須田さんはおっしゃる。民主主義のあり方でもあると。