オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

Allegro気分で行こう!5

 ジュリアに傷心

 コアなバンド、マイナーなバンドは、たくさんあるけれど、ロックの楽しさをみんなにわかりやすい形で伝えてくれたバンドとして、80年代の「チェッカーズ」のことを忘れてはいけない。

 立て続けに飛ばしたヒット曲の下敷きになっている音楽は、いずれも50年代のポップスである。バラード調の「星屑のステージ」以外は、軽快なテンポにのって楽しいロックンロールを聴かせてくれる。(詞はともかく)後にオリジナル曲を歌うアイドルバンドとして成長していくチェッカーズだが、この曲の発表当時は、プロデューサー兼作曲家の芹澤廣明の傘下にあり、この頃の音楽志向(戦略?)は芹澤氏のアイディアによるものと考えていいのかもしれない。

 その芹澤廣明の手による楽曲で、現在まで繰り返し演奏されている名曲と言えば、アニメのテーマソングである。岩崎良美の歌った「タッチ」の主題歌。男子ならみんな熱中したことがあるプロレスアニメ「キン肉マン」のテーマソング=「キン肉マンGoFight!」。そしてチェッカーズのヒット曲。

 これらは、いずれもアップテンポで、ぐいぐいっと美味しいメロディラインを聴かせてくれる佳曲だ。

 このノリのよさは、芹澤廣明が70年代にNHKの「ステージ101」のメンバーとして、ポップスセンスを磨いたことと、どこかつながりがありそうだ。和製ポップス(言い方が古いですね。JーPOP)の中でも、最高に懐かしく楽しい音楽を聴かせてくれたのが、チェッカーズであり、この曲の産みの親である。芹澤氏である。

 この後、小室哲哉の登場により、日本のポップシーンは大きく変貌していくが、その時代が来る前に、こんな大ヒット曲があったことを。そして、その曲を今も十分楽しめることを、私は、とても幸せに感じる。