オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび578

木村治美「六十代からのエッセイ教室」を読む

 


冒頭で日記とエッセイの違いについて、ふれている。エッセイは自分を客観視して、書かれている自分と書いている自分との間に距離を取るというのだ。だからこそ読み返しが可能であるし、読者を獲得できる。ボク自身のブログを読み返しても、この客観視が意外と難しいことがわかる。

セレンディピティの話が出てくる「求めよ、さらば巡りあわん」。ノーベル賞田中耕一さんや「武士の家計簿」を見つけた磯田道史さんの例が出てくる。日頃から何かしらの問題意識を持っていてこそ求めていたものに出会えるという話なのです。

全ての刺激を受け止めるほど、ポクのセンサーは全方向に働かないし、入力先のキャパシティも大きくはない。だからこそアンテナセンサーをどこへ向けるか? が大切なのだろう。図書館へ行って本を探す時など自覚させられる。

本書はエッセイ教室であるから、当然読者に対しての指導が書かれている。助言というより指導に感じてしまうのは、著者が先生しているからなのかなぁ。「語尾の選び方について」「意味が通じれば主語が曖昧でもいいわけではない」などなどの教えは、その通りと感じる。

出版された2006年から17年。原稿用紙に向き合って推敲添削を重ねた文章を読む機会が減っている。反面ブログ・ツィッターにお気軽に投稿された文は否応なしに目に飛び込んでくる。最終章で原稿用紙で書く日本特有の縦書き・世界共通の横書き、それぞれの功罪について書かれている。筆者はかなり頑な縦書き支持者とお見受けした。ここのエッセイ教室から学んだスキルを自分の文章表現に活かしたいと思いました。

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