オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび579

安倍龍太郎、門井慶喜畠中恵「歴史・時代小説教室」を読む

 


畠中さんは、作家自身が小説を書くために踏んでいるステップを惜しみなく公開している。それはほぼ一般化されたスキルなんだろうけれど、もちろん畠中さん独自の留意点も話されていて、何か書いてみたい作家志望者には参考になるに違いない。

読んでいるうちに、歴史ものや時代ものではないけれど、ボクが今まで出会ってきた人について何か書けないものか? 長い散文を書く集中力がないくせに、ちょっと思ってしまった。

続いて門井慶喜さんが登場する。彼の本はボクも少し読んでいてネタバレ的に楽しませていただきました。銀閣の東求堂同仁斎に「何も感動しなかった」平凡さを感じたことが、長編小説「銀閣の人」に繋がっていくのはさすが!

最後に安部龍太郎さんが、作家を目指す「心・技・体」を語る。新人賞受賞が登竜門なら受賞までが1000分の1、さらに作家として活動を継続できるかどうかが10人に1人、合わせて10000分の1の確率と言うのだ。しかも作家修業には10年かかると言う。まるで「思い込んだら試練の道を〜🎵」の星飛雄馬のようだ。

小説は一人称あるいは三人称で書かれるが、その融合化として紫式部ドストエフスキー司馬遼太郎の例を挙げている。手本となる小説を何度も何度も読み、書き写す方法が有効であると言う。

また別のところで「プロの作家の目とは、表現者としての目のほかに編集者としての目があることを指します」とおっしゃる。文学に限らず全ての表現に通用する話のように感じました。

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