オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび584

相田一人「父 相田みつを」を読む。

 


頸椎症のせいか? 肩や首周りが痛い。本の初めに筆者が「姿勢をよくしろ!」と父から言われた話が出てくるが、身に染みてその通りだと思う。姿勢の話に限らず、相田みつをさんが書かれることはいちいちごもっともであります。けれどそれらの言葉がどのような状況から発せられたのか? その一端がいっしょに生活していた息子から語られる。

相田みつをは、書家・詩人として認められている人であります。(名刺に書家と印刷したことはない)定職に就かず、ろうけつ染めで生計を維持していて五十代前半まで極めて貧しい生活を送っていたことがわかります。8畳間借りの生活でありながら、別の場所に25畳のアトリエを持っていた。普通なら家族の大反対に合うであろう。すべてにおいて自分の活動を優先した姿がわかる。

姿勢の話に続いて、父が息子に説いたのは「具体的に」。上野で開かれた「ツタンカーメン展」へ父子で出かけた時の筆者の作文が紹介される。子ども=筆者を先に歩かせて、道案内をさせるのだ。そうは言っても筆者は駅を降りてからの道がわからない。だから何遍も道ゆく人に案内してもらい、ようやく辿り着くのだ。みつを自身は5mくらい離れてついて行く。何かと物騒な昨今の東京では危なっかしい気がするが、これが相田みつを独特の教育法だと語られている。

始めに相田みつをさんのことを書家・詩人と書いたけれど、そのような肩書きが当たっているのか? よくわからない。ただ自分が表現できることは何かをとことん突き詰めていった人であることは本書でよくわかった。そして、その作品が多くの人の心を揺さぶり続けていることも確かなことでしょう。

 


一番大事なものに

一番大事ないのちをかける

f:id:hoihoi1956:20231108061151j:imagef:id:hoihoi1956:20231108061151j:image