オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび585

伊東乾「笑う脳の秘密!」を読む

 


初めに音楽の話が出て、呼吸をしていない表現=うたっていない音の課題を指摘している。テンパる→呼吸が浅くなる→表現が不自由になっていく感覚は、ボクも日頃合唱や琵琶歌で音を出しているので身につまされてしまう、

自分の話。「最近若い頃に比べて暗譜が苦手になってきたなぁ」と感じるようになった。耳の暗譜、手(身体)の暗譜、目の暗譜を筆者は説いている。そして目の記憶はイメージの記憶だと言う。自分が通った道の風景を細かく思い出せるように記憶をトレーニングできるのだ。耳の暗譜・手の暗譜については動物的な快感と結びつく。音楽担当の教師をしていた頃「この曲の好きなところはどこ?」と聞いて、そこから歌ったり合奏したりしていたことを思い出した。

アガらないための方法に話を戻せば、音楽経験が豊富な筆者は、演奏家が楽屋でトランプをしたり女性演奏家がバッグに可愛らしいストラップを下げたりすることで、脳をリラックスさせている例を挙げている。

リラックスして一時の感情に支配されない=自分の思考回路を俯瞰する脳を筆者は「笑う脳」と呼んでいる。

不思議の国のアリス」の著者ルイス・キャロルの本業? は、数学者。あの奇想天外な話と理詰めで隙がない数学と同じ人間の中で統合されていることが楽しい。知の三点支持(=文系の学習、理系の学習、芸術の学習が統合されること)のよさを説いているが、それにしても一問一答で一つの問いに一つの答えしかない授業やテストをやっていては先に進めるはずがない。人を鋳型にはめる教育をしてきたツケは確実に未来も鋳型にはめてしまう。

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