オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび594

武田友紀「『繊細さん』の本」を読む

 


早速28ページの診断テストをやってみると、案の定ボクは当てはまらないが、いっしょにテストをした妻はHSP傾向のようだ。

この種類の本によく出てくる魔法の言葉が登場する。考え過ぎやベストを求めて身動きが取れなくなっている人への言葉は「とりあえず」。拙速は巧遅にまさるではありませんが、とりあえず何か動いてみるでいいじゃないですか。長いスパンで捉えれば、人生とりあえず生きているのかもしれないのですから。

繊細さんの悩みのキモに、人間関係がありそうです。相手が感じてくれないこと、気づいてくれないことに繊細さんは悩みます。でもボク自身「非繊細さん」なので、繊細さんの感じていることは、ボクらにはわからないのです。わからないから理解の外側にあるのです。それは持って生まれた資質なのですから後天的に獲得することはできません。さらに言えば、感覚を基盤にした「配慮する力」も違うのです。

続いて「人を嫌えるようになろう」と刺激的な呼びかけが登場します。私たちは、小さい頃からできるだけ多くの友だちと「仲良くする」ことを躾けられてきたので、真反対です。けれども嫌いになっていい! 何となくこの人イヤだなというセンサーを働かせて、その人と距離をとることで自分を解放できるのです。

繊細さんの相手が言葉にして発信していないのに、相手の気持ちや困り感を先回りして手助けしてしまう。また繊細さん自身が

自分の状況をわかってもらえずにイライラしてしまうより先に言葉で「〜してほしい」と頼む。

繊細さんは、とにかくいろいろな課題に気づくので、結果自分で処理しようとして仕事を増やし忙しくなってしまうことがあります。筆者は「気づく」ことと「対応すること」は、別で実際に自分がやるべきかどうかは選ぶべきだと言います。ヒントは気づかないあの人を真似てみることだそうです。

最後に「自分の本音を大切にする」ことで、繊細さんは逞しくなっていく。ところが自分の本音は何重にも覆われた心の中にあるのです。そこで「幼い頃(2歳くらい)の自分に聞いてみよう!」と。おそらくそこに何の縛りもなかった自分の原点が見つかるのでしょう。ボクは繊細さんではないけれど、試してみたくなりました。

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