オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

音楽を指揮する人、指導している人がいる。1対1、1対集団、形態は様々だろうけれど、おそらくは、すべての指導者の皆様が、表現を引き出すあるいは表現を導くために「言葉」を駆使して「音楽」を伝えようと日々苦労されている。
 ふと、思いついたのはオーケストラの指揮者の身振りである。どう考えてもオーバーアクションとしか思えないような指揮ぶりをされる方がいらっしゃる。しかし、言葉で伝えられない「音楽」を、身振りを通して伝えようと懸命に表現していらっしゃると理解できないだろうか?
 テンポを指示するだけであれば、型どおりにタクトを振ればそれで事が足りてしまう。でも求めている音楽を引き出すためには、練習で発した言葉だけでは、どうしても足りないのである。そこで身振りが自然に生じてくる。髪を振り乱す指揮者、唸る指揮者、果ては指揮台から落ちてしまう指揮者まで、動き方は一人一人実に様々だけれど、身振りによって顔の表情によって、音楽は確実に変化し、引き出されていく。
 ここで、一つ提案。一般的なコンサートホールでは、聴衆からは、背中を向けてしまった指揮者の表情を見ることができないのだが、指揮者の表情を映し出す画面を会場に設置すると「今指揮者が、どのような表現を引き出そうとしているか」がわかる演奏会になるのではないだろうか?ちょっとテレビ番組的にはなるが、それはそれで楽しいと思うのだが。