オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

ロズゴニ・エーヴァ先生の合唱講座を受けに行く。

一応私は東京生まれなのであるが、その後ほとんどの時間を神奈川県で過ごしてきたせいか?東京という土地の空気が甚だ苦手である。まず東京圏に入ると、人の動きが一変し、数もおよそ横浜の三倍と言っていいだろうか?とにかく人がたくさん蠢いているだけで、参ってしまう。そして必然的に騒々しくなる空間から逃げ出せない閉塞感がダメなのだ。
それでも意を決して、今回、合唱講座に参加したのは、純正の響きについて自分なりにもう少し理解を深めたかったからです。事の発端は、パナムジカから「一声から始める合唱指導」という本を買い求めめたことにある。全体の八割近くは譜例が占め、残りの部分に純正律の話が書いてあるのだが、ここが結構難しい。著者は、すでに故人となられたカルドシュ・パール氏だが、愛弟子であるロズゴニ・エーヴァ先生が来日され、合唱講座を開かれるとあっては、ここは林修先生流に言えば、勉強するなら「今でしょ!」と相成ったわけです。
講座の始めに、合唱作曲家、合唱指揮者として目下かなり売れっ子の松下耕氏が、本講座の用語解説のような案内をしてくださる。旋律は時間の産物、ハーモニーは空間の産物。ピッチは絶対的音程感覚で、イントネーションは相対的音程感覚。歌に向いている移動ド唱法では、ドの機能が変化する等の言葉が印象に残った。
いよいよエーヴァ先生の話。先ずは純正の振動数の話からスタート。一本の弦が張ってあり、弦を弾いた音を基音のドとすれば、長さを二分の一にするとオクターブ上のドの音が鳴り、三分の一にすると、その5度上のソの音がなる。四分の一でその上のドの音、五分の一でその3度上のミの音・・・という具合で、これらの音は基音の上に倍音として響いているので、原則濁らない。つまり純正な音とされている。次に音と音の間の比を見ると、初めのオクターブを1とすれば、ソは二分の三、次のドが三分の四、その上のミが四分の五となる。譜面や図に表すとわかりやすいのだが、お許しあれ。
さて、そのまま倍音列を辿ると、私たちが全音とひとくくりにしている二度音程に、八分の九と九分の十の二種類があることがわかる。幅の広い方を大全音、幅の狭い方を小全音と呼ぶ。同じドレミでも長調の時は、ドレが大全音でレミが小全音短調の時は、ドレが小全音でレミが大全音なのだ。さらに、音が進んで行く向きによって(上向か下向)、レには二種類あるとの話が出た。
ここまで辛抱強く読んで下さった方には大感謝ですが、やはり実際に音を通じて、演習課題的に声を出してみないと、何が何だかわからない。次回の男声合唱団でのミニ発声レッスンでその一端を紹介させていただこうと考えているところです。