合唱
ぼくが出会った合唱指揮者② 福永陽一郎=陽ちゃん先生 福永陽一郎は、人から先生と呼ばれることを露骨に嫌った。事情を知らずに「先生」と呼べば「ボクは先生していません!」の一喝を喰らってしまう。しかしながら、死後三十年以上経ち、未だにその演奏が語…
ぼくが出会った合唱指揮者① 山根一夫先生 我が師、山根先生について書く。おそらくは日本の合唱指揮者としてパイオニア的な存在であり、合唱指揮で何とか生活していけることを身をもって証明していた方でもある。 しかし、現在山根先生について語られること…
ハーモニーは、声の握手! 親愛の気持ちを表すために、世界中の人々が自ら手を差し出して握手する。 ハーモニーも自ら進んで声を出すことでハモり始める。おずおずと恐る恐る発声しているのは、爪の先と先がちょこっと一瞬触れたようなもので、ハモらない。 …
みんなで唱和できる歌を! 朝ドラで古関裕而を取り上げており、例に漏れず毎回観ています。戦前は戦時歌謡(いわゆる軍歌)、戦後は一転して「長崎の鐘」に代表される平和の賛歌。いったいこの変わり身の速さは何なのか? 私が戦前の作曲家として山田耕筰に勝…
メンタルハーモニーって何? 男声合唱団のスローガンなどで目にする言葉が、メンタルハーモニー。本家本元は我が国の合唱文化発展の礎となり、また現在もリードし続けている関西学院グリークラブ。私の母校横浜国立大学グリークラプもよくこの言葉を使ってい…
ある合唱団のオンライン飲み会で、突然自分が学生の頃の演奏会プログラムが登場して、たいそう驚いた。今から43年も前の話で、昔は若かったなぁ(=当たり前!)とか「そんな時代もあったねと〜」などと中島みゆきの歌が頭をよぎったりした。 そんなことがあっ…
音楽的両生類の渇き 皮膚が干からびてしまうと生きていけない両生類と生活の中に音楽がないと心が干からびてしまう音楽人間?、とは、どこか似ている。 中でも私は仲間が集まってナンボの合唱をやっているので、とりわけ渇水感が強い。 音楽を聴いたり、一人…
関西のハーモニー、関東の声 戦前の合唱史を調べていたら、声勝負の首都圏、ハーモニー勝負の関西圏的な構図が見えてきて、興味深い。力技パワー声押しの関東とテクニックの関西と言い換えてもおもしろい。 元を言えば、東京周辺に音楽の高等教育機関が集中…
112オール三善晃プログラムで、なにわコラリアーズが東京演奏会を開いた。 予習として、家で三つの時刻、王孫不帰、クレーの絵本を聴く。それぞれに違うスタイルで作曲されているのが、さすが三善先生。このうち王孫不帰は、今日は演奏されないが今年これか…
数十年が経ち、私は地元の男声合唱団「横浜さかえ男声合唱団」の団員になっていた。私はすでに50歳前後、学生時代から30年経っていた。このローカルな合唱団へも多田武彦先生は、一度ならず二度までもお見えになり、講演されている。主に日本語と旋律の関係…
初めて、多田武彦作品にふれたのは、大学入学と同時にグリークラブに入った時のことで、当時、横浜国立大学グリークラブは、草野心平の詩による「蛙」を歌っていた。横浜国大グリーは、多田武彦作品を演奏することが多いらしい。自分が学生指揮者だった時も…
昨年12月、ネット上にある作曲家の訃報が流された。作曲家の名前は、多田武彦。世の中にその名前を知らない人は多いだろう。しかしながら、一回でも氏による合唱曲を歌ったことがある人にとっては、心に深く刻まれた忘れ難い名前であろう。 広く知られていな…
みなとみらいホールに、アメリカ、中国、日本のユース合唱団が一堂に会したコンサートを聴きに行きました。 初めは、清泉女学院のまっすぐで清らかな合唱。コンクールでの演奏に比べて、力みが見られないのが好印象。もちろん上手い! 続いて上海から来日し…
足掛け14年間歌わせていただいた地域の男声合唱団を5月に辞めました。そこで、どこか還暦おじさんでも、受け入れていただける合唱団を、探し始めたのですが、東京で活動している男声合唱団お江戸コラリアーずを見学させてもらいました。 楽譜をお借りして早…
深夜夜行バスに乗って、宝塚国際室内合唱コンクールを聴きに行きました。このコンクールは、ルネサンスバロック、ロマン派、近現代と無差別級にブロックが分かれていて、最初から聴いていると合唱の表現様式の変遷が、理解できてしまうというコンクールなの…
2月の耕友会コンサートでの内なる遠さの演奏が素晴らしく、上野の石橋メモリアルホールで開かれた演奏会を聴きに行きました。 当たり前ですが、曲への造詣が深い指揮者が音楽をつくることは、大前提でして、日本におけるハンガリー合唱曲の第一人者である松…
FBで今年のNコンの課題曲「願いごとの持ち腐れ」をChor OBANDESの演奏で聴いた。3拍子系のリズムに、ちょっとひねりの効いた、ブルージーな旋律が乗っかっている。この曲を、何百校数千人、いやもっとかな?が毎日練習しているんだなぁ。 そう言えば、この前…
グリークラブの機関紙、ご挨拶等に、必須単語とばかりに登場するキーワード、それが「メンタルハーモニー」。 個人的には、メンタルという言葉は胸を締め付けられ、苦しい。仕事上の課題に悩み、苦しんでいる仲間の姿が、どうしてもオーバーラップしてしまう…
私は、出身大学を含めてミッションスクールに通った経験がありません。大学に入って、グリークラブで歌い始める羽目?になった時、一番驚いたのが女性がいない!・・・こと。二番目は、どうしてか?ミッションスクールとはおよそ縁がない大学なはずなのに、…
妻が所属しているPTAコーラスで「アメイジンググレイス」を歌うらしい。声が出ないのに・・・歌うことを妻はぼやいている。 それ以上に祈りの心がないままに神を賛美する曲を歌ってしまうことの方が、表現としては問題だろう。ちょっと調べてみたら作詞者の…
新聞の地方版に、栄区のリリスでコーラスワークショップが開かれる記事を見つけた。主催は横浜合唱協会。曲はバッハのマニフィカート。 バッハは、カンタータやモテットは歌ったことがあるけれど、マニフィカートは未体験。勉強になりそうだと思って、参加し…
港南台アカペラシンガーズの仲間と、アカペラライブを行いました。場所は、横浜医療福祉センター港南のホールです。開演10分前くらいから、少しずつ地域の方がいらっしゃり、その後利用者の方々がどんどん来場され、最後は入口から入りきれないので外で聴い…
還暦は、やはり人生の節目だと思う。今まで走ってきたギアをシフトしたり方向を変えたり、人それぞれもう一度これからの生活を見つめ直すチャンスである。そのタイミングで学生時代に慣れ親しんだ男声合唱をもう一度歌ってみるというのは、なかなか憎い仕掛…
最近、半径2km以内が生活圏になっているので、久しぶりに電車に乗った。たったそれだけでも楽しい。 セントオラフ合唱団は、FBでコンサートが横浜で開かれることを知り、出かけることにした。アメリカを代表するアカペラの響きが楽しみだ。今月は、グリーの…
自分がアカペラコーラスに関わっているので、アカペラ曲を教えてくださる講習に参加して来ました。 最初は、ラッススの「シオンよ、汝の婚礼の間を飾れ」で、グレゴリオ聖歌やデュファイ・デプレにさかのぼって、ポリフォニーの歴史を語って下さる先生の話が…
うちのカミさんが職場で、GWに横浜で開かれるコーラスワークショップの話を聞き付けてきた。イベントのことは知っていたのだけれど、外国からお招きする講師は「メサイア」担当ということで、二の足を踏んでいたのだ。結局、今年の合唱コンクールの課題曲に…
アカペラの生アンサンブルを鑑賞できる機会は、意外に少ない。そこでヴォーカルアンサンブルコンテストを聴きに行きました。アカペラ通信で紹介したので、港南台アカペラシンガーズのメンバーも数人聴きに来ていらっしゃいました。たくさんのレストランを渡…
古楽院の発表会で東京に出たので、晴海の第一生命ホールに行き、松下耕率いる合唱団が集う耕友会コンサートを聴きに行きました。 どの合唱団も素晴らしい演奏でしたが、それを指揮する松下氏の存在について、改めて感じたことがあります。 私たちは、松下耕…
0204に最後のレッスン。0211に神田キリスト教会での発表会を控え、さすがにお尻に火が点いて自習を始めたのが、古楽院で教わっているジョスカン・デ・プレのミサ。Ave Maris StellaからKyrieとGloria。 例によって「何とかなるさ」と高をくくっているわけに…
大学のグリークラブで同期だったメンバーが私同様還暦を迎えた。還暦年度は声かけ集まって、グリーフェスタというイベントで演奏する習わしがあり、その還暦ステージで歌う準備を始めた。 私の担当は、練習用音源製作。普段アカペラシンガーズで配布している…