オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび566

W•T•へーガン「アメリカ・インディアン史」を読む1

 


本書では、アラスカ州エスキモーやハワイ州の先住民は含んでいない。それでも600を優に越える部族が暮らしていたのだ。一つの政治理念の元に統一されていたわけではない。それぞれの部族ごとの暮らし方や考え方は違っていたのだ。

コロンブスアメリカを発見? する以前=ヨーロッパ人移住以前の歴史が残念ながらわからない。縄文人が一万年以上の歴史を有しながら、文字を持たずその詳細が謎に包まれていることに似ている。ただイロコイ連邦については、14世紀から成立していたとのこと。いずれ別書で調べてみたい。

アメリカにやってきたのは、スペイン、イギリス、フランスで、カトリックプロテスタントかで、インディアンとの関わりに温度差があったようだ。一番インディアンに対して強行な態度を取り続けたのは、アメリカ独立政府でして、インディアンはフランスやイギリスとの関係を利用しながら(利用されながら)、戦うが、1812年の戦争以降英仏との関係は薄れ途絶えてしまう。

白人たちのインディアンに対する偏見を形成しているのは、狩猟生活を送り定住地を持たず、文明に積極的に馴染もうとしなかった様子が一因を成しているのだろう。けれども製粉所・学校・耕作された畑・アルファベットで印刷された新聞を発行していた部族がいる。チェロキー族である。彼らは憲法を有し自ら独立国足らんとした。

ところがチェロキー族の居住地に金鉱が見つかったことがきっかけとなり、チェロキー族は涙の旅路と呼ばれる強制移住(1838〜1839年)に追い込まれる。1000kmの移動で人口の1/4にあたる4000人が亡くなる悲惨な事件である。しかもこのような強制移住に追い込まれたのはチェロキー族に限らないのだ。本書ではヴィニベイゴー族の場合を紹介している。

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