名作を読む32
蒲松齢作「聊斎志異」 を読む
中国の怪奇物語。感性が違うのかもしれないが、あまり怖くない。特殊な力を持った化け物の話。考えてみれば、西遊記の孫悟空、猪八戒、沙悟浄もかなり怪しい。猿の分際で雲にまたがり空を飛んでしまうのだから。
その前に仙人の話を読んだばかりなので、中国の物語に登場する超能力は、仙人と化け物とに共通点がありそうだ。まず変身。化け物なのだから化けられないことには始まらない。とりわけ美人に変身して、人間が美しさにまいってしまうパターンがよくある。次にお宝、財宝。これも不思議な力であれよあれよという間に金持ちになる話が多い。
三つ目が出世。特に役人や大臣。この手の欲が絡む話が多い。
比べてみて、日本のお化けは、怖い。暗くてジメジメした場所に出てきそうで、結構恨みつらみや復讐の気持ちを内に秘めている感じがする。怨霊的なのだ。この辺り土地柄というか、気候風土とお化けは関連しているのかもしれない。