オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび110

みんなで唱和できる歌を!

朝ドラで古関裕而を取り上げており、例に漏れず毎回観ています。戦前は戦時歌謡(いわゆる軍歌)、戦後は一転して「長崎の鐘」に代表される平和の賛歌。いったいこの変わり身の速さは何なのか?

私が戦前の作曲家として山田耕筰に勝るとも劣らない巨大なる存在と感じている人がいる。信時潔さん、その人だ。彼が自分の曲をもって、戦争に加担してしまった責任を強く感じ、戦後は作曲活動を縮小したことは山田耕筰古関裕而とは、まことに対照的です。

 

ただ古関裕而さんの曲は、非常に覚えやすく、つまり多くのひとが唱和しやすい曲であったことを

、しっかり記憶しておきたい。歌が居心地のよい場所として、カラオケルームを見つけてからは、なおさら歌は個人で楽しめばそれで○的な表現になってしまった。つまりは民謡や正しい意味でフォークソングへと進化する道を捨てたのである。

フォークソングというよりは「うたごえ運動」出身のいずみたくは、まだみんなで唱和できる唄を作ろうとしてしていた気がするけれど、その後彼を継ぐ作曲家が現れた形跡がない。

唱和できる歌を失った人々が、童謡や文部省唱歌を懐かしんで歌うのは、残念な必然なのであります。