オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび188

鶴見俊輔上坂冬子「対論 異色昭和史」を読む

 

昭和31年生まれの私が、どこまで昭和という時代を理解できているのか? かなり心もとない。

本書の話題は、張作霖爆殺事件から始まるが、内容は明治にまで及ぶ。

後藤新平伊藤博文に、ロシアとの友邦条約を提案し、ハルビンからロシアに向かう途中、伊藤が安重根に暗殺される。後藤は、深くこの一件を悔い、後年スターリンと会う。そんな話が身内の話として出るのも、後藤の孫である鶴見俊輔ならではであろう。その他戦前戦中の話として、ゾルゲ事件や戦争が終わった後、天皇制をどうするか? がかなり早くから論じられていた話などが語られる。

流石に憲法9条について、二人の立ち位置はかなり遠ざかってしまうが、自分の立ち位置とかなり遠くにいる人とも、ざっくばらんに対話できるところがリベラリスト鶴見俊輔の面目躍如と言ったところだろう。

思想の科学ベ平連の活動については、子ども心に聞きかじっていたのですが、今それに類するグループ活動や運動があまりクローズアップされないのは、どうしてなのか? 何かを見失っているような気がします。