鈴木大拙著 北川桃雄訳「禅と日本文化」を読む
禅のモットーは、言葉に頼らないところにあるという。ではこの読書感想文もどきのブログもどきは一体何を語ればいいのか? 元々原文が欧米人向けの講演で英語だから日本人の著書なのに訳者がいる。だからこそ執筆からかなりの歳月を経ても、すっかり欧米化した今の私たちにもわかりやすいのでしょう。
禅は、形式主義を否定して系統的な科学を遠ざける。そして規範的な道徳とは結びつかないと、大拙は語る。最終章では、禅=悟りと言う。私たちは何とまぁ遠いところへやって来てしまったのだろう! 私たちが日常息苦しさを感じる主な原因を80年以上前に言い当てているではありませんか!
しかし、禅は創造的で人間の内側から生じた芸術とは、親和性が高いという。だから本書では美術論から始まって、禅の影響を感じる様々な文化活動に筆を巡らせているのである。
続きは次回以降に。