オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび408

塚田健一「アフリカ音楽の正体」を読む3

 


コール&レスポンス。ゴスペルの元祖であるわけだから、呼唱と応唱のやり取りて歌は進んでいく。驚くべきは旋律の即興性でして、やがて訪れるJAZZへの進化を予感させる。本書では即興のルールも読み解かれており、自分の民族音階に沿っているのですね。

最後の方では、教科書に出てくる「キパパーキ・パパパ」こそ引用されていないが、わらべうたにふれている。わらべうたは大人の歌の雛形であると、音の構造を分析しながら語る。横道に逸れますが私自身も、わらべうたこそその地域固有のもっとも自然で無理のない発声が実現可能だと思っています。とりわけ10歳未満の子どもたちにとって音域的にも発声的にも自然なのです。

研究成果の発表を織り交ぜた本書を、とても興味深く読ませていただきましたが、最後は太鼓実技のテキストのような内容になっている。そう、文字面を眺めていても音楽の楽しさはわからない。実際に音を出してみてナンボですものね。