オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび460

鴻上尚史「演劇入門」を読む1

 


勤務校で、若い頃演劇クラブの指導をしていたことがあります。初任校では私が脚色したミュージカルを集会で発表するなど、まったくヤリヤリでした。子どもたちに声をかけていたのは、とにかく動くことです。首から上だけの演技なら朗読でいいじゃん! 的な思いでした。

演劇に限らずボクは「生」の表現が大好きで実際に長い間続けてきました。仕事の教員は「生の授業」合唱は「生のハーモニー」琵琶は「生の音色と語り」です。それはオンラインには代えられないリアルなのです。文中で鴻上さんは「つまらない演劇は、つまらない映画より何倍もつまらないインパクトがある。本当に面白い演劇を見たら、そのインパクトは面白い映画の何倍にもなる」と述べ、そしてそれは「同じ空間にいるからだ」と言います。もう少し進み、演技力と絡んで同じ空間にいると「嘘はつけない」舞台はその人の本質をあらわにすると続きます。

観客が、無理して言っていない、自分の言葉になっている、説得力があると感じるレベルまで、生演劇は稽古するのです。「演劇は次の日に直せてすぐ結果が出る」生表現では、経験と振り返りを重ねることで成長が加速するのですね。観客の生反応があるからこそ独善に陥ることができない。子どもを前にした教員が、本来は弛まない変化成長を求められていることに通じている気がします。

 


「オヤジのあくび」を読みに来てくださり、ありがとうございました。バックナンバーに興味がある方がいらっしゃいましたら、以下のリンクに放り込んであります。一応10号ずつにまとめてはありますが、順不同です。ご容赦ください。

 


https://www.dropbox.com/sh/h2g746qsfg4i3w3/AAC0j_MtAsVkr19fn-VkxGvIa?dl=0