オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび606

宮本延春「オール1のおちこぼれ、教師になる」を読む

 


オール1。相対評価だった時代の5・4・3・2・1は、全体の数%の子に1が自動的に付けられる仕組みになっていて、人の可能性を引き出す方法とは言えなかった。ボクも相対評価の時代に仕方なく数人の子に1を付けたことがあったし、自分が生徒の時に1を付けられたこともあった。

筆者は執筆現在高校教師をしているが、「信頼」を前提にしたタブー破りの「特別扱いの補習」。いいじゃないですか! 極論を言えば、全ての生徒が特別扱いされるべきだと思うのです。

ところで、学力不振で九九や分数がわかっていなかった筆者が、勉強に目覚めて、なぜ高校教師になったのか? それは彼女から紹介されたアインシュタインに関する番組のビデオが、きっかけになっていたのですね。時空に対する概念を根こそぎ揺さぶられたわけです。

出発点は小学3年生用の算数ドリル。その後定時制高校に進み、目標を名古屋大学理学部と決めて勉強に励みます。九九や分数の計算がよくわからない人が難関国立大学を受験するのは、大きなジャンプです。けれども、定時制高校で素晴らしい先生方に出会い、少しずつを高めていくのです。

誰と出会い、何を学ぶか? それが人生のきっかけになり、エネルギーに変わるのですね。大学はビミョーなところだけど、近くて安くて入れてくれた学校に落ち着いた・・・ボクとだいぶ違う。ただ現在もさまざまな環境の子どもたちと接しているボクにとって、定時制豊川高校の先生方のように、子どもたちに学びのきっかけを提供し、学習者を支援する存在になりたいという思いが一層深まってきました。

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