茂木健一郎・羽生善治「ほら、あれだよ、あれ」がなくなる本を読む。
脳はその人がチャレンジできるギリギリのものに挑戦している時が、楽しいのです。
確かにボクのことで言えば、仕事を辞めてボーッと毎日を過ごしていると、つまらなくなってしまい、また何か始めてしまう。妻曰く「泳いでいないと死んでしまうマグロ状態」だそうだ。少し似ているのかも?
新たなチャレンジが脳を刺激すると言っても、不安が踏み出そうとしたはじめの一歩を足止めさせます。その時に不安を乗り越えるユーモアが人を後押しすると言います。テレビではお笑い芸人が大活躍中ですね。昔だって日本人はとんち話や古典落語に接してきたのですから、ユーモアと無縁の生活だったわけではありません。
もう一つ劣等感の話が出てきます。一つの物差しで人と比べようとすると、自分の欠点が明らかになり劣等感が自分のモチベーションの足かせになります。けれど長所と短所、できることとできないことが合わさって、自分の個性なのだとま茂木さんは言います。「みんな違って、みんないい」と。
続いて将棋の羽生善治さんにバトンタッチ。記憶する時に大切なのは五感を使うことと言います。将棋であれば、実際に駒を並べるとか、ノートに書くとか、誰かに話すとかの方が、記憶に残るというのです。音楽もただ楽譜を眺めているのではなくて、実際に音に出して感じた方が楽しいし、覚えるように感じます。似ているのではないでしょうか?
話は本書から離れるのですが、最近中学3年生に個人指導で数学を教えています。ありがたいことに50年以上中学数学の内容がほぼ変わっていないので、まだ学習のお手伝いができるわけです。勉強していると生徒が「あっ、こうだったのか!」と目を見開いて喜ぶ瞬間があります。この瞬間に立ち会えることは、先生役として至高の時です。解法がわかることで新しい世界が広がる。茂木さんに言わせれば、間違いなくドーパミンが出ているのでしょう。