オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび620

大野一雄「舞踏譜」を読む

 


何だかよくわからないから読み始めたのに、読むほどに余計わからなくなってしまうようだ。例えれば音楽を言葉で言い換えることが結局は不可能なように、舞踏も言葉に置き換えることが困難なようだ。生命、宇宙、胎児、様々な言葉で「感じていたい根幹」を書いている。しかし、日常が具体表現の世界に浸かっている身としては、なかなか理解が進まない。

思うに、この書は大野一雄氏の舞踏表現に接した方に対して「いったい、あの動きは何をイメージして表現していたのか?」を本人が語ったものなのだ。だから実際に舞台を鑑賞する方が先立たないと解説だけ読んでも分かりにくい。

一般に演劇なら脚本を、音楽なら楽譜を読めば、実際の表現に接していなくても、およその全体像は掴めるものだ。また逆に脚本や楽譜を手がかりにして表現をつくりあげることができる。ところが、この本に示されている舞踏指示書では、舞台上の位置や動く方向が示されているだけで、実際に本人がどのように身体を動かすのか? 書かれていない。

だからこそ表現づくりに臨んで本人が思い描いていたことが本になったのだろう。

ちょっと拝見しただけでは、よくわからないジャンルは他にもある。ボクにとっては美術の抽象表現など。

受け止め方は鑑賞者次第ということか? かく言うボクの琵琶の表現だって、よくわからない代物かもしれない。けれどわからなくたってそれで大丈夫な場合ともう少しわかりやすく説明した方がいい場合を見極めておきたいと感じました。

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