オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび612

石濱匡雄「インド音楽とカレーで過ごす日々」1

 


楽器や音楽との出会い方は、人さまざまでしょう。ボクは琵琶という今の日本ではマイナーな楽器に関わっているので、なぜ琵琶をやっているのか? 尋ねられることがあります。石濱少年の場合は、中学の頃からギターを始めたものの、母親から「お師匠さん」に付いて教わりなさいとの一言。楽器教室を探しているうちに見つけたのが「シタール教室を始めます」のチラシ。ギターとシタールはだいぶ違う気がしますが、石濱少年のシタール教室通いが始まります。

一応小学校で音楽を教えていた経験があるので思うのですが、楽器や音楽は理屈で教えようとするからつまらなくなるのです。理屈? の代表選手はドレミと楽譜。ドレミがわからないと鍵盤ハーモニカもリコーダーも演奏できません。同時に楽譜を読みながら弾く練習をさせられます。

でも口笛や鼻歌が無条件で気持ちがいいのは、理屈がないからです。聞き覚えのメロディーをただ再現している。元来日本の音楽はほとんど聞き覚えで伝承されてきたのですから。

さて美術科のある高校で進学した石濱さんは、卒業前にインドへと旅立ちます。お目当てはシタール探し。足元に猫が近づいて来て楽器工房に案内してくれるという不思議な体験をしています。さらに美術系の短大に進み、インドのコルカタ(カルカッタのこと)で、師匠に付いて習い始めます。伝承芸能の師匠ってどうして気難しそうな人が多いのでしょうね。ご当地はベンガル語圏で、英語さえカタコトだった彼は当初苦労しますが、やがて通訳を仕事にできるほどの語学力を身につけてしまいます。若さゆえの順応性なのでしょうか?

 

明日の投稿に続きます。

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