オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび818

宮本常一「忘れられた日本人」を読む2

 


小学校音楽の教科書で各地の民謡を教える頁があり「こきりこぶし」が掲載されている。

本書では、道中迷って心細い思いをする場面が描かれている。その時、島の人に歌を歌うとよいと教わるのだ。邪推だが馬子唄のように歩きながら歌われたものは、道に迷わないための工夫だったのかもしれない。

 


続いて寄り合いの話の中で、一揆、衆、講という地域の結びつきを表す言葉が出てくる。若い衆などはまだ使われるし、機能していると思われるが、講や一揆となると、どこからともなく都会に集まってきた人にはピンと来ない。

次の章でいなくなった子どもを村中で探し回ったエピソードが出てくる。子どもは無事に見つかったのだけど、筆者の視点はその村に以前からいた人と移住してきた人々の間で子どもを探すか探さないか、行動が分かれたところを見ている。共同体としてのつながりが見えてくるのであります。

 


読み進めるうちに「女の世間」という婆さんの他愛のないおしゃべりを綴った話が出てくる。田植えの時期の早乙女が、男どもをどう見ていたとか、あけすけに語られている。そして馬喰の「土佐源氏」の話に辿り着く。思い出話という体裁を取りながら、ほとんど文学の香りが漂う浮気話。これは現在の倫理観からするとかなりしょうもない男の話となるわけですが、少し前までの日本人が性についてとてもおおらかで開放的であったことがわかる。

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