オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび434

北野武「新しい道徳」を読む1

 


最初にツッコミを入れるのは、道徳の教科書。小学校1年生に「自分を見つめさせて」どうするの? と。そりゃそうだよなぁ。昔は「何言ってんだか」という白けた目で授業を受けていた子どもがクラスに3〜4人はいて、そんな子の視線をそれなりに気にしながら授業していたんだけど、今は一見従順で素直そうに見える子の方がよっぽどわからない。耐えながらつまらない気持ちやおかしいと感じるセンサーを塞いでいるようにさえ感じるわけです。

続いて道徳教材に動物が登場する例を踏まえて、動物世界に道徳はない、人間だからこそ道徳が必要なのだ。その意味を先生方は教えられるのか? と問う。

「行列に並んでまで食い物を食うな」という母親の教えを、たけしは守り続けているらしい。道徳では、誰がどんな気持ちで話すかが重要だと言う。それは指導用教科書についている指導展開例をそのままなぞっている教師に向けられているのだ。私は本当は横並びの一斉ではなくて、一人ひとりに合った教材があるといいと考えている。国語だって音楽だってそうだ。まぁ、それらのことは成長に従って自ずと自分自身で選ぶようになるからいいけれど、道徳という価値の教育が横並びというのはどうだろうか? 価値を疑い本当にそれでいいのか? これはどこかへ自分を誘導しようと企んでいる罠じゃないのか? という疑心暗鬼な態度を育てるなら、まだわかるのですが。