腹巻猫「劇伴音楽入門」を読む1
本書は、冒頭で映画音楽・サウンドトラック・BGM・劇音楽・・などの類似した言葉を並べた上で、劇伴という言葉を嫌う作曲家たちの発言を取り上げている。劇伴が独立した曲に比べて一段低く見られることへの抵抗なのだろう。
先日、ボクが担当したBGMは、あくまでも劇の流れに沿い、その場面を印象づけるために作曲した。中には独立して鑑賞可能な曲もあるが、登場人物の不安な気持ちや緊張した場面を強調するような音楽を作ってみたつもりです。
特に勉強になったのは、演技が練り上げられて形になっていく中で、音楽の尺が足りなくなり何度も長さを再調整しなければならなかったことです。本番ボクは役者として動いていて、音響担当の方に何度も音源を送り直しました。
また、必要に応じて演出から、この場面に音楽が欲しいとリクエストが出ることもありました。当初台本にBGMと書かれている部分の曲を用意したのですが、稽古の過程で曲数が増えました。
映画「キングコング」の音楽を担当したのはマックス・スタイナーですが、アンダースコアリングという音楽で映像を強調する手法を考えたと書かれています。
彼が映画のために作った音楽を本書では分類していて、情景を描写する音楽、状況を強調する音楽、登場人物の心情を描写する音楽、キングコングを象徴するモティーフです。映像では表現しきれないことを補う「演出としての音楽」です。
本書の話題は、映像と音楽の関係に進んでいきます。始めに映像ありきのアンダースコアリングへの批判から、映像と音楽は互いに主張し合うべきという考えが台頭してきます。
先の劇でのボクの作業は、アンダースコアリングに他ならなかったのですが、音楽と映像・芝居の関係は、もっと自由度が高いものだということがわかってきました。
