オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

ボブ・ディランのノーベル文学賞授賞に思う

ガロが「学生街の喫茶店」で「片隅で聴いていたボブ・ディラン」と歌い、どう考えてみても強い影響を受けていた吉田拓郎が「ああ、今日もまたボブ・ディランの話かい?いやだね。」と歌っていたのは、LP「元気です」に入っていた「親切」だったっけ。
歌がメロディーから順に体内に取り込まれるタイプの私は、メロディーの美しさをわざと引っ掻き、破りながら歌うボブ・ディランの歌い方は、当初馴染めなかった。むしろ、PPMが歌っているカバーの方が親しみやすかったのだ。

そのボブ・ディランが、今年のノーベル文学賞だ。歌手としては、初の授賞らしい。詩(日本の定型詩には短歌や俳句という名前が付いているが)、それは、そもそも歌われるべきものとして、詩人の魂から発せられたものであることを、改めて思い起こさせる。
「売れてなんぼ」の世界に、安易に取り込まれ、時流に乗ってしまうことなく、自分の言葉や歌を研ぎすましていくことの覚悟を、選考委員は語りかけているのかもしれない。