オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

随想集

隙間の時間の友1

小山薫堂が「考えないヒント」の中で、自分はスローライフは苦手でファストライフになってしまう…と書いていた。私もどちらかと言えば、ファストライフ派なのだろうが、如何にファストライフだろうが、ほんの少しの間や隙間は出来る。その間も脳内はスパーク…

柔軟性と執着心

20191009夜、吉野彰さんがノーベル化学賞を受賞されたニュースが日本列島を駆け巡った。満面に笑みをたたえ穏やかな口調でインタビューに応じられる姿が、お人柄を想像させる。その会見の中で記者の質問に答え、研究の継続に必要なこととして「柔軟性」と「…

群れる煩わしさ、面倒臭さへのおののき

人が群れるのは、必然であった。陸上において極めて弱かった我が祖先は、群れることで知恵を集積し、地上の覇権を獲得した。しかし、21世紀に入って人が群れなければならない必然は極めて希薄である。通信の発達により情報のやり取り集積は、わざわざ一箇所…

奇妙な解放感

もう読んだことを忘れたひとが大勢いるかもしれないけど、昔ノストラダムスの大予言という本があって、結構売れていてその本によれば1999年7月に人類には初めて滅びるはずだった。運がよかったのか?どこでどう間違えたのか?私は今、滅びなかった方の未来を…

可視化できる自分と透明な自分の闇

今年5月〜6月にかけて、ひきこもり者による事件が続発してしまった。ひきこもっている状態はまちまちであろうから、一般化した議論は困難だが、ふと私は20年以上前のサカキバラ事件を思い出していた。子どもたちの心がわからず、深い闇に覆われている場合何…

自分の祈りを取り戻す。自分の言葉や歌を取り戻す。

南無阿弥陀仏だって、Amenだって、所詮は借りた言葉だ。自分の願いや祈りを、仏や神への共通語で括っているのだ。本当は、自分の気持ちは自分の言葉でしか確かめられない。でも説明や理屈を阻む理性が及ばない部分について、宗教が提示してくれる祈りの言葉…

そもそも元気は、いつ、どんなことから湧いてくるのか?

元気でいたい。前のめりならない程度にポジティブでいたい。そう願っている人は多いだろう。愉快なこと、楽しいことが待っている時、必要な休息と栄養を取り、且つ落ち着いた時間が確保するできた時、奇妙な使命感、責任感が自分を駆り立てている時・・その…

脳の諸活動と気持ち

脳の活動は生理的生物的な制約を受けている。人類はその制約から解き離れた活動を、意思とか気持ちとか呼んで、自分たちだけの特権であるかのように振る舞ってきた。 しかし、この本能と理性の二元論的な発想は、実は抜け落ちている部分がある。それは、未だ…

自分なりの異世界を準備しよう。(できる限り体感的な)

祈りの結界に入る時、神社にお参りする時は手水で清めるし、寺なら香を浴びる。それは、日常から少し離れた時空間へ動くための準備でもある。 身体を使うスポーツには、ウォーミングアップが必要だし、音楽ならチューニングや発声練習、あれも一種の異世界に…

タケさん、ヨコハマを語る3

30年前の成功と未来像 1989年、Yesヨコハマ博が開かれた。バブル期であったので会場は大いに盛り上がった。そのレガシーが、ランドマークタワーであり、横浜美術館であり、大きな観覧車、そしてみなとみらい地区だ。もし、みなとみらい地区が未だに倉庫群で…

タケさん、ヨコハマを語る2

ウェルカム!ヨコハマ 多文化共生とかダイバーシティとか、御託を並べる前から、いろいろな人がやって来て、ごちゃごちゃ暮らしていたのがヨコハマ。人は同時に今まで日本にはなかったものを持ち込んでくるので、ヨコハマには日本で初めてのものがたくさんあ…

タケさん、ヨコハマを語る1

通算すると、もう50年近くのヨコハマに住んでいる。離れていたのは、生後間も無くと小学校4年から大学を出るまでの13年。あとはずっとヨコハマにいる。一応は地方公務員の端くれであったので、任地を離れられなかったこともあるが、やはり自分はヨコハマが好…

こんなところに日本人?に学ぶ

元々地理が好きだということもあるけれど、世界の村で発見!こんなところに日本人?をよく見ている。きっと自分自身では、一生行くことはないだろうと思う村を紹介してくれるという面もある。しかし、それよりもこの番組で紹介される日本人が、単身で海を越…

テレビの時代とSNS

昨年の暮れ、4Kテレビを求めた。映し出される画像は、細部まで必要以上にハッキリしており、人物の肌の荒れなど驚くほど鮮明に見えてしまう。画像を送信したり映し出したりする技術は、これからも進化するだろう。まだ立体テレビや匂いが伝わるテレビなど、…

手書きたて書きで行こう!

手書きは、達筆悪筆を問わずオリジナルである。日本語は、文字の仕組みからして、どう考えても、本来はたて書きのはずだ。 ○パソコン、ワープロに身売りしてしまった手書き文字 もう30年くらいになる。和文タイプライターにワープロがとって代わってから。私…

ワクワクドキドキは、所詮オマケなのだ

ワクワクドキドキや熱中とか、ハイテンションを求める人々にウケているけれど、所詮それはオマケである。そこを履き違えて、ワクワクドキドキが目的であるかのように勘違いしてしまうことや、そのように誘導されていることはありませんか? 例えば、テンショ…

守るべき存在

ブラックジャックのピノコ。鉄腕アトムのウランちゃん。時には面倒臭くて、鬱陶しい彼女たちは、守るべき存在を象徴している。強い存在として、ブラックジャックやアトムがいるなら、その対称的な存在として、ピノコやウランは必要不可欠だったのだろう。 手…

文化の中心

週一ペースで、東京の男声合唱団に通っています。合唱に限らない話でしょうが、日本の、いや少なくとも東日本の文化の中心は、東京だと思います。 それは文化は、人が集まってつくるものだからです。では反対に人がたくさん集まっていれば、半自動的に成熟し…

惰性で走らない。

ゲームの電車でGoと同様に、ほとんどの電車は加速の後、惰性走行に入る。加速の勢いで次の駅まで走れるからだ。 例外的に惰性走行をしないのが新幹線。惰性走行でスピードを落としたら、新幹線の価値がないわけだ。 しかし、もう一つほとんど惰性走行をしな…

既視感を突破する異次元の魔力

既視感とは本来はデジャヴのことだが、日常がルーティンに陥り、どこかで聞いたようなセリフばかりが飛び交う環境においては、身の回りのことがすでにほとんどデジャヴである。そのような中で、今までに見たことがない異次元の魔力は大きい。 政治で言えば、…

代表とは?

テレ朝の「あいつ、今何してる?」という番組をちょくちょく見ていて、先日はバドミントンの小椋久美子さんが出ていた。彼女がライバル選手との勝負を回想する中で、私は代表であることの意味を改めて考えさせられた。お江戸コラリアーずは、東京都合唱コン…

戯れ言

金が無い奴の戯言にしか過ぎないけれど、本当に大切なものは金と交換できないのだ。 人の気持ち、美しい自然、感動する表現…それらに値段を付けていることがあれば、それはかなり間違っている。 一部の芸術家が、自分に見合わない報酬を得ている、またはそれ…

鎮守様が守ってくれていた。

今年は、台風に地震、そして猛暑…と自然現象になす術がない日本人のもろさを、日本という国土がいかに危ういかを強く自覚させられる年になりそうである。 日本は山が多い国である。だから悲しいかな、今年も土砂災害が相次いだ。 昔の人も、自然災害は怖かっ…

贈り物という経済のあり方 3

縄文土器に戻ろう。例えば代表的な火炎式土器。凄まじい造形である。決して整えられることがない情念の産物。だから私は国宝に指定されている土器の美しさよりも、ところどころ不規則な形が貼り付いている土器に惹かれてしまう。 土器というのは、読んで字の…

贈り物という経済のあり方2

話を現代に戻せば、本当は贈り物なのに、お金が介在する場面が往々にしてある。 例えば、音楽。音楽は、歌ったから演奏したからと言って、お金がもらえるような表現ではなかったはず。日本では琵琶法師に発する門つけ芸能、西洋では貴族の館を回っていた吟遊…

贈り物という経済のあり方1

1ヶ月くらい前に、上野に縄文展を見に出かけた。ノロノロ牛歩のようにしか進めない人の流れは、時として人と接触し、足を踏みそうになり、出てきた時は疲れ切っていた。 それにしても、この自由奔放な造形は、一体何なのだ! 規格を拒否し同じものは二度と作…

何でも自己完結してしまいそうな錯覚。

今、電車に乗っている。私も含めて携帯とにらめっこしている人が多い。音楽を聴いていても、本を読んでいても、ゲームをやっていても、自分の中で楽しさが完結している。その楽しさはSNSで発信しなければならないものではなく、自己完結したままで何の問題も…

能力について

○尻込みしない能力実はチャンスは、かなり広く平等に訪れていて、それに気づくか見逃すか?さらに気づいてたら尻込みしないで、つかみにかかれるか?という能力だ。○毒まみれになる前に逃げる力毒を浴びると、自分の解毒作用の上限に達する前に、毒を吐き出…

人間らしさって?3

自分が何者なのか?よくわかっていない。 だから時として属性にしがみつく。それを保身と言う。絶えず変化成長し続けていると言えばカッコいいけれど、要は自分のことを考えれば考えるほどに、自分自身のことがよくわからなくなってしまう。何らかの理があっ…

人間らしさって?2

役に立たない、ほとんど無駄としか思えないことに一生懸命取り組んでいる、一見ちょっと変わった人がいて、人類の文化史はその変わった人たちによって変化してきた。科学者、芸術家…枚挙にいとまはない。ぼくの好きな音楽だって、そのことが何の役に立つのか…