オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

読書

オヤジのあくび615

菊池清麿「評伝 服部良一」を読む2 戦前の良一作品を代表する曲が、昭和12年淡谷のり子による「別れのブルース」。低いGから歌い出すため、本来コロラトゥーラソプラノの淡谷のりこは一晩中タバコを吹かして低く魂がこもった声が出るしたという。ボクサーの…

オヤジのあくび614

菊池清麿「評伝 服部良一」を読む1 朝ドラで「梅丸少女歌劇団」が華麗なダンスを披露していたように、大阪は今も昔とエンターテイメントの街だと思います。日本初のジャズバンドは、井田一郎さんによるラフィングスターズで、大阪・神戸にジャズの音色が響き…

オヤジのあくび612

石濱匡雄「インド音楽とカレーで過ごす日々」1 楽器や音楽との出会い方は、人さまざまでしょう。ボクは琵琶という今の日本ではマイナーな楽器に関わっているので、なぜ琵琶をやっているのか? 尋ねられることがあります。石濱少年の場合は、中学の頃からギタ…

オヤジのあくび611

柳家花緑「落語家はなぜ噺を忘れないのか」を読む タイトル通り、噺の覚え方・練り上げ方が書かれています。花緑さんのスタートはノートへの丸写し。18歳の頃志ん朝師匠に教わった「愛宕山」は語り口をそのままノートに写して読んでいたといいます。20歳にな…

オヤジのあくび610

米山文明「声の呼吸法」を読む 以前米山先生の「声と日本人」を読んで、オヤジのあくびに投稿した気がします。(何だか記憶がごちゃごちゃしていますが・・)あとがきでは、その延長線上に本書を書きましたとおっしゃる。より実践的な方向に進展させて・・との…

オヤジのあくび609

茂木健一郎・羽生善治「ほら、あれだよ、あれ」がなくなる本を読む。 脳はその人がチャレンジできるギリギリのものに挑戦している時が、楽しいのです。 確かにボクのことで言えば、仕事を辞めてボーッと毎日を過ごしていると、つまらなくなってしまい、また…

オヤジのあくび608

なだいなだ「とりあえず今日を生き、明日もまた今日を生きよう」を読む くねくね道のように、長い時間かけて移動していた距離が、飛行機や新幹線の利用によりすごく短縮されている。調べ物だってだいたいのことでよければ、パソコンやスマホでわかってしまう…

オヤジのあくび607

有田秀穂「脳からストレスを消す技術」を読む 涙の数だけ強くなれるよ〜という歌があった。この本の中身を言い当てているような歌詞なのです。 筆者によると二大ストレスとは、まず「依存症」=快楽が途切れることから抜け出せない状態。アルコールで考えれば…

オヤジのあくび606

宮本延春「オール1のおちこぼれ、教師になる」を読む オール1。相対評価だった時代の5・4・3・2・1は、全体の数%の子に1が自動的に付けられる仕組みになっていて、人の可能性を引き出す方法とは言えなかった。ボクも相対評価の時代に仕方なく数人の子に1を付…

オヤジのあくび604

鎌田實「○に近い△を生きる」〜「正論」や「正解」にだまされるな を読む この本の冒頭はかなり衝撃的で、18歳の著者が大学進学を巡って父親の首を絞める場面から始まる。別に殺人は至らず、進学は親の支援なしではあるが果たされて、著者は自由を獲得したと…

オヤジのあくび603

千葉雅也「勉強の哲学 来たるべきバカのために」を読む 本書のはじめに「来たるべきバカとは、新たな意味でのノリを獲得する段階である」と書いています。道具的な言語使用から玩具的な言語使用へ。漫才のツッコミとボケがアイロニーとユーモアに対応してい…

オヤジのあくび602

布施克彦・大賀敏子「なぜ世界の隅々で日本人がこんなに感謝されているのか」を読む 本書に初めに登場する国は、マーシャル諸島。アメリカによる核実験の影響を受け、日本の第五福竜丸が被爆したことで知られる。最近では温暖化による海面上昇の影響が深刻だ…

オヤジのあくび601

隈研吾「なぜぼくが新国立競技場をつくるのか」を読む 隈さんは、ボクより二歳年上で東京オリンピックを二回経験している。だから丹下健三さんの設計による代々木の第一第二体育館のデザインから強い衝撃を受けた世代なのだ。 新国立競技場を始めとして、隈…

オヤジのあくび600

養老孟司・久石譲「耳で考えるー脳は名曲を欲する」を読む 環境と音楽について語り合っている箇所があり、日本で組み立てたパイプオルガンの調整が大変な話が出てくる。西洋音楽の響きは、乾ききった石造ホールで育まれたものだ。アカペラだって合唱だって、…

オヤジのあくび599

立川志の輔・玄侑宗久「風流らくご問答」を読む 落語と琵琶は昔寄席に掛かっていた芸能として共通点があります。一席がおよそ15分であること。この15分がビミョーでして、長すぎてひたすら我慢を強いられる時間になるか? 耐えられずに席を立ってしまうか? …

オヤジのあくび598

「思い出のアルバム草軽電鉄」を読む 草軽電鉄。現在草軽交通としてバス事業を展開している会社の前身です。軽井沢〜草津温泉間を結んでいた高原列車があったのです。55kmの距離を3時間かけて走っていたといいますから、吹き抜ける風を身体に浴びながらのん…

オヤジのあくび597

植西聰「折れない心をつくるたった一つの習慣」 「それができていれば、初めからこの本読んでいないよ」と感じさせるようなアドバイスがこの本にも多く出てきます。でも、本というメディアは200ページ以上あるので、手を替え品を替え、いろいろな角度や場面…

オヤジのあくび596

坂口恭平「自分の薬をつくる」を読む この本は、さまざまな悩みを抱えた患者さんを診察するような形で進行する。もちろんその全てが演技であり、周りからも丸見えなのだ。 何人目かに、1ヶ月に一度死にたくなる患者さんが来て、生歌をつくることを薦める場面…

オヤジのあくび595

名作を読む96 ケストナー「飛ぶ教室」 描写や話の展開が楽しいわけは、作者自身が登場人物といっしょになって、自ら創る物語世界を面白がっているからだという気がする。前書きとあとがきに作者が登場する仕掛けも物語の一部に入りたい願望のような気がしま…

オヤジのあくび594

武田友紀「『繊細さん』の本」を読む 早速28ページの診断テストをやってみると、案の定ボクは当てはまらないが、いっしょにテストをした妻はHSP傾向のようだ。 この種類の本によく出てくる魔法の言葉が登場する。考え過ぎやベストを求めて身動きが取れなくな…

オヤジのあくび593

村上和雄・.棚次正和「人は何のために祈るのか」 祈りは病気を癒し、心身の健康を保つ大きな力を秘めている。少しでもよりよく生きようとする遺伝子の働き、それが祈りであると筆者は言います。 祈り。宗教に近く科学から遠い行為だと多くの人は感じるでしょ…

オヤジのあくび592

養老静江「ひとりでは生きられない」を読む 著者は明治生まれ。横浜平沼高校がまだ神奈川県立第一高女だったり、東京女子医大が女子医専であったりした時代の学生生活を語っている。その後、帝大病院(今の東大病院)に小児科医として勤めるが、筆者は横浜本牧…

オヤジのあくび591

西郷孝彦「校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール」を読む たったひとつの校長ルールとは「子どもたちが幸せな3年間を送ること」 心に壁を造って拒否しない。一人ひとりに安心できる居場所を提供する。何よりも教師であることをかさにした上から目線…

オヤジのあくび590

梓澤要「方丈の孤月」を読む 前半は、煩わしいとさえ感じる中世貴族社会の人間模様の中で、若い鴨長明が要領よく立ち回れない様子が描かれている。由緒ある下鴨神社の御曹司としてのブライドや両親を亡くした哀しみが、主人公のコンプレックスの背景にあるの…

オヤジのあくび 589

ピーノ・アプリーレ「愚か者ほど出世する」 本書は動物行動学者のローレンツ教授にインタビューした経験から始まる。「人間の知恵は必要があれば、いつでも解決の出口を見つけ出す。しかし、ひとたび解決法を見つけてしまうともう知能を使う必要はなくなる。…

オヤジのあくび588

山崎慶子「グランマの本棚から」を読む 読み聞かせの予定表が送られてきて、第一回目は2年生。「そうか、低学年なら絵がある本がいいかなぁ。紙芝居にチャレンジしてみるのもいいかもしれない。」などと、例によって取らぬ狸の皮算用を始めてしまう。 読書に…

オヤジのあくび587

中島義道「カイン」を読む タイトルの「カイン」は、旧約聖書で弟アベルを殺した兄であります。主によって殺されぬ「しるし」が付けられたカインは、苦しみ悩み続ける日々を送る。本書では青年Tに寄り添いながら、彼が立ち向かい排除していくべき相手は何な…

オヤジのあくび586

野口五郎「芸能人はなぜ老けない」を読む 本書の最初に役職と威厳の話が出てくる。威厳を保とうとすることは自ら進んで老けようとすることだと、野口五郎さんは言うのだ。エンターテイナーに役職はないし威厳も必要ない。なるほど郷ひろみさんの若々しさには…

オヤジのあくび585

伊東乾「笑う脳の秘密!」を読む 初めに音楽の話が出て、呼吸をしていない表現=うたっていない音の課題を指摘している。テンパる→呼吸が浅くなる→表現が不自由になっていく感覚は、ボクも日頃合唱や琵琶歌で音を出しているので身につまされてしまう、 自分の…

オヤジのあくび584

相田一人「父 相田みつを」を読む。 頸椎症のせいか? 肩や首周りが痛い。本の初めに筆者が「姿勢をよくしろ!」と父から言われた話が出てくるが、身に染みてその通りだと思う。姿勢の話に限らず、相田みつをさんが書かれることはいちいちごもっともでありま…