オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

2020-01-01から1年間の記事一覧

オヤジのあくび96

名作を読む57 ヒューズ作「トム=ブラウンの学校生活」を読む トム=ブラウンは、やんちゃでいたずら好きの少年で、校長先生も頭を下げて悩ませるほどであったが、やがて同室になったアーサーとの出会いによって、心を入れ替え、成長していく。 イギリスの寮…

オヤジのあくび95

名作を読む56 ラスキン作「黄金の川の王さま」 面の皮が突っ張った強欲この上ない兄二人と、正直で誠実な弟グルックの物語。兄二人は黄金を自分のものにしようと企み、宝の谷へ行くが、結局黒い石に変えられてしまう。弟グルックだけが黄金の川の王さまの言…

オヤジのあくび94

名作を読む55 ラブレー作「ガルガンチュア物語」 大男、巨人伝説。日本なら「だいだらぼっち」とか「八郎」などの話が残るが、ガルガンチュアはフランスの大男の話。 特徴は、大きく二つあって、まずはお下劣な糞尿ネタのオンパレードということ。主人公ガル…

オヤジのあくび93

名作を読む54 ドイル作「失われた世界」を読む。 アメリカがスペースシャトルの打ち上げを止めてから、もっぱら人間を載せた宇宙行きのロケットは、ロシアから打ち上げられていた。しかし、6月に民間会社が打ち上げたロケットが国際宇宙ステーションとドッキ…

オヤジのあくび92

名作を読む53 ジェローム作「ボートの三人男」を読む。 イギリス紳士を気取りたい青年三人衆の抱腹絶倒ボート旅行物語。テムズ川を遡るのだが、自力で漕いで行くのだ。かと言って冒険物語ではなく、日本で言えば弥次喜多道中のような滑稽話である。 冗談やい…

オヤジのあくび91

名作を読む52 ハガード作「ソロモンの洞窟」を読む。 宝物を巡る伝説は、いくつもある。日本にだって小栗上野介がらみの徳川埋蔵金伝説やら戦中のエム資金伝説などがある。この物語は、ダイヤモンドが眠る洞窟の話である。 物語の山場は、三回ある。初めは灼…

オヤジのあくび90

ぼくの応援団体験 高校生の頃だから、すごく昔の話。その高校では体育祭と文化祭が隔年開催で、ぼくは体育祭を2回経験する学年だった。体育祭は多色対抗で、ぼくの1年2組は紫。体育祭が近づくと応援団練習があり、何故入ったのか?忘れてしまったけど、ぼく…

オヤジのあくび89

ブラタモリの再放送「富士登山」編を観た。 コロナウィルスの影響で番組を作れないためか?再放送をあちこちで放映している。風当たりが強いNHKなどは予算が余らないのだろうか? ところで、タモリが富士山の美しさの秘密を探るため、富士に登った回を観た。…

オヤジのあくび88

ぼくの日本的神様論 どんなに七転八倒してもがいてみても、所詮は人間。自分たちの無力さ加減を思い知らされた時、人は神様に祈る。だから、自然災害が多い日本では、大自然そのものが信仰の対象となったし、さらには天神様のように、亡くなられたあと災害が…

オヤジのあくび87

名作を読む51 ザッパー作「愛の一家」 を読む。 音楽教師のペフリングお父さん、家事に忙しいお母さん、耳がよく聞こえないお手伝いさんのバルブルグ、七人の子どもは男の子が四人、女の子が三人、高校生のお兄さんからまだ学校に行ってないとエルザまで。 …

オヤジのあくび86

名作選読む50 ビルドラック作「ライオンのめがね」 視力が弱り、狩りがうまくできなくなったライオンの王様が、人間からメガネをもらい元通りの狩りができるようになる。 ところが好事魔多しで、ある日大切なメガネをなくしてしまう。自分の不注意なのに身の…

オヤジのあくび85

名作を読む49 ハウフ作「隊商」 隊商=キャラバンだが、一種の運命共同体のようなグループで、厳しい気候や情け容赦ない盗賊から身を守りながら、目的地まで旅を続ける。無事に目的に着くまでの一期一会的なグループなのだ。 そんなキャラバン隊のメンバーが…

オヤジのあくび84

名作を読む48 ベルネード「海の義賊」を読む。 時はナポレオンの時代。覇権=海上を支配することだった。今ならさしづめサイバー空間を支配することだろうか。その時代の状況がわかっていないと読みにくいが、インドの支配権を巡って、フランスとイギリスが争…

オヤジのあくび83

名作を読む47 リラダン短編を読む2 ・白い象 動物園と文学と言えば、高村光太郎の「ぼろぼろの駝鳥」を思い出す。種の保存とか生態研究という名目はあっても、やはり動物園には動物の尊厳を奪い見世物にしている部分がある。人間がそれを見て、勝手に可愛が…

オヤジのあくび82

名作を読む46 リラダン短編を読む1 ・にせかみなり コアラが好きで、動物園に行くと結構コアラ舎の前でのんびりしている。あれだけ眠っているだけの生き物なのに、何と人気者なのだろう!ナマケモノものんびりしてほとんど動かないが人気ではコアラに敵わな…

オヤジのあくび81

名作を読む45 ボロンコーワ作「町からきた少女」を読む ナチスドイツとソ連が戦っていた頃の話。戦災孤児のワーリャがダーシャおばさんに引き取られて、その家で町とは違う生活に戸惑いながら、その家の子どもたちやおじいさんと少しずつ仲良くなり、誰より…

オヤジのあくび80

最小限の我慢、最大限?の効果3 練習が嫌い。今も練習が必要な楽器を学んでいるくせに、困ったことに私は練習が嫌いなのだ。いや正確に言えば、反復練習が苦手なのかもしれない。 ほとんど同じことを繰り返していても、自分に変化が現れるなら楽しい。でもノ…

オヤジのあくび79

最小限の我慢、最大限?の効果2 就職して小学校の教員になった。3月まで41年やってきた。休校期間が解けたので、まもなく42年目に突入しそうな状況ですが。働き方改革のご時世、超過勤務が絶えず話題になっている職種だ。 決まった時期に、決まった作業を必…

オヤジのあくび78

最小限の我慢、最大限?の効果1 昔からこんなことばかり工夫してきて、今に至る。我ながら要領がいい方とは思えないが、これで何とか今に至っている。 人生、必要以上に我慢が必要な時期は、何度も訪れる。まず受験生。気になったことがあるとWikipediaなど…

オヤジのあくび77

名作を読む44 ビルドラック作「ばら色島」 ピルドラックの童話第一作。子どもたちを地中海のばら色島に連れてきて、世間から隔離し理想の環境と教育を実現しようというのが、魔法使いことバンサンおじさん。物語の中で子どもたちが、どのようだ環境で学び生…

オヤジのあくび76

名作を読む43 名作を読む エリオット作「サイラス=マーナー」を読む。 拝金主義、守銭奴、世の中金がすべて…のような考え方に出会すと、ひょっこりひょうたん島のトラヒゲを思い出す。いやぁケチでしたねぇ。ただその割には金持ちじゃなかったような気が…、…

オヤジのあくび75

名作を読む42 ホーソン短編集を読む。 ・人面の大岩 優れた人物の到来を待ち望む人々、その人物の顔は山肌の岩に似ていると語り継がれて来た。その伝説を信じるアーネストは、優れた人物が現れたと大騒ぎになるたびにがっかりさせられて来た。それは大金持ち…

オヤジのあくび74

名作を読む41 ドーデ作「月曜物語」より ・最後の授業 アメル先生による最後のフランス語の授業。何と翌日からはドイツ語による授業が始まるのだ。 最近では教科書に掲載されていない理由にもなるが、実はこの物語には複雑な背景がある。 元々舞台となったア…

オヤジのあくび73

名作を読む40 ドーデ作「月曜物語」より ・売り家 家を売りたいのは息子さん夫婦。長年住んだ家を離れたくなく、売り家の看板は出ているけど、本心は手放したくないおじいさんの話。 おじいさん一人では、いつまで経つても売れないと悟り、パリから息子のお…

オヤジのあくび72

名作を読む39 ドーデ作「月曜物語」より ・法王さまがなくなった これは教会とは何も関係がない短編です。なぜなら主人公の少年がボート遊びで帰宅が遅くなった言い訳に使ったウソなのだから。信心深い両親はうろたえ、悲しみ、少年は暗くなってから帰ったの…

オヤジのあくび71

名作を読む38 ドーデ作「風車小屋だより」 を読む1 ・コルニーユじいさんの秘密 時代の流れには逆らえない。日本のSLは観光用に日を限定して動いているけど、例えば算盤を使う人は減ってしまったし、和文タイプと言う機械があって、それが打てるだけで仕事に…

オヤジのあくび70

タケさんの教育論3 本当はいつ何を学ぶのがよいのか?3 早く学び始めた方がよいとされているものがある。例えば音楽ではいくつかの楽器について、そう言われることがある。運動にも当てはまるだろう。 反対にかなり高齢化しても、まだまだ変化成長できるもの…

オヤジのあくび69

タケさんの教育論2 本当はいつ何を学ぶのがよいのか?2 言葉・文字の学習は、とても大切で私たちの思考形成に直接影響する。ところが日本語の習得は時間がかかる。ひらがな、カタカナ、そして膨大な数の漢字とその複雑な読み方がある。発音の仕方はそれぞれ…

オヤジのあくび68

タケさんの教育論1 本当はいつ何を学ぶのがよいのか?1 子どもたちが通う学校は休校解除され、部分登校という変則的な形態で再開しつつある。しかし、保護者の間には、学習の遅れを心配する声が上がっている。 そもそも何歳=何年生で何を学習しておくと言う…

オヤジのあくび67

名作を読む37 セギュール夫人作「学問のあるロバの話」 を読む。 主人公のロバ、カジションは足が速く、とても賢いのだが、賞賛の声や拍手は、所詮その場限りで、どんなに大活躍したところで、人間のように出世したり、財産を築くことができるわけではない。…