オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

読書

オヤジのあくび528

ジェームス・M・バーダマン、村田薫「ロックを生んだアメリカ南部」を読む2 ジャズが生まれた街ニューオーリンズ。この街の成り立ちと黒人が集まる場所=コンゴ広場について語った後、ピアニスト・ゴットショーク(←本書の表記)が紹介される。YouTubeで彼のピ…

オヤジのあくび527

ジェームス・M・バーダマン、村田薫「ロックを生んだアメリカ南部」を読む1 本はエルヴィス・プレスリーの物語から始まる。サム・フィリップスのスタジオで「ザッツ・オールライト」を歌った時=初めてのレコーディングの様子がいきいきと語られる。そのすぐ…

オヤジのあくび526

中山千夏「蝶々にエノケン」を読む2 今、港南台アカペラシンガーズに元教え子が参加しているのだけど、小学校の頃合唱クラブ以外に演劇部クラブでも私が担当だったと言う。そうだったっけ? 今は遠ざかっているけれど演劇こそは、自己表現の最も有効な手段だ…

オヤジのあくび525

中山千夏「蝶々にエノケン」を読む1 回想録は子役時代からスタート。大きなリボンを付けて、目に留まるようにしているうちに映画の字幕に中山千夏の名前が出るようになったらしい。ストーリーの中では「その他大勢」だから、当時の中山千夏目当てに映画を観…

オヤジのあくび524

佐藤優「君たちが忘れてはいけないこと」を読む 授業は、生徒たちから事前に質問を受けた論点を元に、あちらこちらに枝葉を広げながら、展開されていく。 共産主義は潜在力を使い果たして失敗したけれど、ファシズムには、まだポテンシャルが残されていると…

オヤジのあくび523

小川和久「日米同盟のリアリズム」を読む2 北朝鮮に続き、中国の話題。最近の南シナ海への進出、日本にとっては尖閣諸島を含む東シナ海での動きは、頻繁にニュースで報じられている。筆者は人民解放軍が国の軍隊ではなく、共産党の軍であるところが中国独自…

オヤジのあくび522

小川和久「日米同盟のリアリズム」を読む1 私が住んでいる神奈川県には巨大な米軍基地が二つある。一つはマッカーサーが占領軍司令官として降り立った厚木基地、もう一つは小栗上野介以来、日本の海防の要とも言うべき横須賀であります。他にも鶴見に石油備…

オヤジのあくび521

石破茂「国防」を読む 国民の命を守る。そのために心配し過ぎて心配し過ぎることはないと石破さんはおっしゃる。それが政治家の役割でもあると。 高校の頃、戦○チ(○にカタカナ一字を入れると差別的な響きを持った言葉になります)と呼ばれていた友人がいた。…

オヤジのあくび520

佐高信「電力と国家」を読む 本書の冒頭、網野善彦さんの「領海の外は公海」という言葉が登場する。なるほどパブリックは国の官僚による統治機構の中にあるのではない。福沢諭吉や松永安左エ門、木川田一隆ら、官僚と闘い続けた人々の足跡が綴られる。 昭和1…

オヤジのあくび519

川口マーン恵美「ドイツの脱原発がよくわかる本」を読む 本書を読んで、ぼんやり思うのは、この先も電気に依存した今の生活を維持できるのだろうか? という漠然とした不安。 ドイツが凄い速さで脱原発へ舵を切って、電力供給でどのように供給源のバランスが…

オヤジのあくび510

山田耕筰「はるかなり青春のしらべ」を読む3 小山内薫がベルリンにやってきて、山田耕筰に真の芸術家として歩み始めるきっかけとなる一言を告げる。作曲とか音楽者へのこだわりから解放された瞬間なのだ。それにしても人は人との出会いにより成長し、変化す…

オヤジのあくび509

山田耕筰「はるかなり青春のしらべ」を読む2 音楽家には、とりわけ作曲家、指揮者、ピアニストには文章が達者な人が多い。作曲家や指揮者は自分自身でお客様へ音を発していない鬱憤がガス抜き的に文章に転化されるのだろうか? 山田耕筰も同様で、軽妙且つ抱…

オヤジのあくび508

山田耕筰「はるかなり青春のしらべ」を読む1 コロナ禍で学校が休校だった頃、朝ドラで古関裕而を主人公にした「エール」が放映されていて、作曲界の重鎮として山田耕筰がでているわけですが、演じていたのが生前の志村けんさんでした。確かに頭髪が寂しい感…

オヤジのあくび507

梨木香歩「ほんとうのリーダーのみつけかた」を読む 話は同調圧力の実験から始まる。おかしいと感じていることに同調してしまうことは、教室内の子どもたちにもある。おかしいと感じるけれど、みんなが黙っているからボクも黙っていよう。筆者が言うように「…

オヤジのあくび506

池辺晋一郎「耳の渚」を読む3 ・映画監督今村昌平さんの「楢山節考」の音楽作りの中で「五線が見える」と指摘された経験を話している。農家でわら打ち仕事をしながら歌う歌。五線が見えるとは、西洋音楽らしさが透けて見えて、農民の作業歌になっていないと…

オヤジのあくび505

池辺晋一郎「耳の渚」を読む2 ・楽譜に書いてある音に忠実であれ! と生前おっしゃっていた朝比奈隆さんのエピソードが出てくる。しかし、朝比奈氏の指揮から著者はベートーヴェンの交響曲で楽譜の指定がないritardandoを見つけてしまう。そして語る。楽譜が…

オヤジのあくび504

池辺晋一郎「耳の渚」を読む1 エッセイというのは、何か書きたいけれど、持久力がない人に向いた表現した方法だと思います。「オヤジのあくび」だってその時その時でそれなりに自分の本心や立ち位置を書いているつもりなのだけれど、長編小説のように延々と…

オヤジのあくび503

繋げる、伝える5 読書の喜び 実はボクもスマホゲームはやりますし、まだ仕事もそれなりに続けていますので、日々読書三昧という生活ではありません。 しかもボクの読書傾向は偏っていて、図書分類で言う900番台は、随筆くらいにしか手が伸びず、ほとんどは80…

オヤジのあくび494

さだまさし「やばい老人になろう」を読む まっさんの言う「やばい老人」の条件は三つ、知識が豊富、どんな痛みも共有してくれる、何かひとつスゴイものを持っている・・だそうだ。 やばい老人のトップバッターとして、身内のお祖母さんと父親のハードロッカ…

オヤジのあくび493

松井孝典/南伸坊「科学的って何だ!」を読む2 後半は教育談義になってくる。カースト制を受け入れながら暮らしているインド人にとって、ヨガや瞑想は格差を受け入れる手段であるなどと、すごいことを言っている。 教育のあり方ほど話題になりやすく、しかも…

オヤジのあくび492

松井孝典/南伸坊「科学的って何だ!」を読む1 本の始めの方で、血液型と性格の話が出てくる。松井先生は「わかる、わからない」と「納得する、納得しない」の境目が、日本語だと「わかる、わからない」で言い表せてしまうので、曖昧になるとおっしゃる。 こ…

オヤジのあくび490

坂東三津五郎「踊りの愉しみ」を読む 踊りを観る前に、出→くどき→手踊り→段切れ という流れを知っていれば、もう少し今の踊りはどこの部分なのかな? という見方ができるでしょう。 琵琶歌だつて、前語り、本語り、吟変わり、崩れ、後語りの部分と地、中干、…

オヤジのあくび489

宮尾慈良「世界の民族舞踊」を読む 私が小学生の頃「ワルツは三拍子」と教わった記憶があります。間違えてはいないのですが、ひっくり返して「三拍子はワルツ」ではありません。音楽の鑑賞曲には「メヌエット」が登場するのですが、三拍子にはメヌエットやマ…

オヤジのあくび488

紙屋高雪「どこまでやるか、町内会」を読む 自治会は、ゴミ、防犯防災、イベント、調査など、実に多くの活動を行政の下請け的に担っている。しかも無報酬。 本書の前半は、自治会・町内会の活動が「本当に法律の裏付けがある義務なのか?」を検証しています…

オヤジのあくび487

白石仁章「戦争と諜報外交」を読む4 最終章は、杉原千畝。この素晴らしい外交官については、何千人ものユダヤ人を救ったエピソードを中心に据えて多くの書が出ている。 おえコラの練習は早稲田の東京コンサーツという会場を使うことがある。この辺りの建物を…

オヤジのあくび486

白石仁章「戦争と諜報外交」を読む3 どういう場面に居合わせたか? 外交官としての運命や評価に大きく関わる。そして最終的な判断は、本国にいる外務大臣を始めとする政府の意向なのだ。ここに外交官としての葛藤があり、本意ではない行動を強いられることも…

オヤジのあくび485

白石仁章「戦争と諜報外交」を読む2 続けて本書には杉村陽太郎が登場する。国際連盟事務次長を務めた新渡戸稲造はお札の肖像画にもなり有名だが、その後任者が杉村なのだ。サイレントパートナーと揶揄されながら、常任理事国になった日本。杉村は事務次長と…

オヤジのあくび484

白石仁章「戦争と諜報外交」を読む1 日本が世界に伍して、大国としてのパフォーマンスを求められた場面として、本書では第一次世界大戦後のヴェルサイユ会議に「五大国」の一つとして列席した場面を挙げている。アメリカやイギリスがいくつものホテルを借り…

オヤジのあくび483

藪中三十二「世界に負けない日本」を読む2 外交のニュースは日々流れているけれど、どこを強調するか? によって受け止め方がだいぶ変わってくる。例えば尖閣諸島の近くを中国の船が航行したことは、よくニュースになるが、その向こうの海で行われている油田…

オヤジのあくび482

藪中三十二「世界に負けない日本」を読む1 始めに英語力の話が登場する。「中学3年生の英語の教科書を丸暗記していればそれでいい」らしい。ではその後も続く高校でのいわゆる受験英語や大学での英語は何だったのだろう? ところで藪中さんは日本の大学を卒…