オヤジのあくび

タケさんの気楽に行こうよ道草人生の続編です。

オヤジのあくび559

古賀慎一郎「ちあきなおみ 沈黙の理由」を読む2 本書は、夫でありマネージャーであり社長である郷さんの闘病と癌の進行を、付き人目線で綴っている。夫婦の近くに見舞いに訪れる宍戸錠が登場する。郷さんの実兄なのだ。邪推に過ぎないが、夫婦二人の強過ぎる…

オヤジのあくび558

古賀慎一郎「ちあきなおみ 沈黙の理由」を読む1 筆者は8年間ちあきなおみの付き人をしていた人。ちあきなおみのパートナーである郷さんとの思い出や仕事上の失敗談を語っている。 ちあきなおみが「朝日のあたる家」をマイクなしで歌う場面が出てくる。YouTub…

オヤジのあくび557

高齢者の経験や知恵を、どのように伝え引き継げるか? 中国語で教師は老師。日本語の先生は、いろいろな立場の人に使われているけれど、老師は学校の先生だけ。まだ教員になりたての頃は、60歳以降のことなんて考えられなかったが、実際に66才の今年の3月ま…

オヤジのあくび556

ヨハン・ガルトゥング「日本人のための平和論」を読む2 領土をめぐる緊張関係について、日本周辺で言えば、尖閣諸島や北方四島の問題について共同所有や共同管理という方法を、著者は提案する。国家同士が領土を巡って対立し戦争が起きているが、それ以前に…

オヤジのあくび555

ヨハン・ガルトゥング「日本人のための平和論」を読む1 不可逆=元に戻せない判断や行動から作者は語り始める。戦争は多くの命を奪い、その命は二度と戻ってこない。アメリカと一体化することこそが日本を守る唯一の方法であると多くの日本人が、少なくとも政…

オヤジのあくび554

鎌倉武士は将軍から賜った土地を守るために一所懸命戦ったという。権利者の系譜はそれほど重要でなかったので、北条政子の泣き顔に騙され、上皇軍に刃向かってしまった。日本史上宮家が率いる軍と一般ピープルが戦い、しかも勝ってしまうという前例のないこ…

オヤジのあくび553

小林よしのり「新戦争論」を読む。 アフォリズム。警句を並べ立てて読者を煽り立てるのは著者の得意技だ。目立ってしまうが故に、対立する人々に事欠かずネトウヨを始め、氏の意見から派生する様々な動きとの軋轢を体験的に描いている。けれども戦争の反対は…

オヤジのあくび552

加藤周一「梁塵秘抄」を読む2 源平の時代を取り上げたドラマには、必ず権謀術数に長けた後白河法皇が登場する。日本の経済や統治機構をどのように変えたいとか、清盛や頼朝のような政治信念はない。権力維持のための院宣乱発、だから歴史を変えた人としては…

オヤジのあくび551

加藤周一「梁塵秘抄」を読む1 大河ドラマなどで平安期の歌舞の場面が出てくると、踊っているのは白拍子である。加藤さんは、今様を歌っていた人々として他に傀儡子(くぐつ)がいたと言う。人形遣いの人々のことであろう。梁塵秘抄は彼らの歌謡だったのだ。だ…

オヤジのあくび550

諏訪正樹「身体が生み出すクリエイティブ」を読む2 「身体で触れるように世界に接する」ことで、手持ちの知識やスキーマと呼ぶ行為パターンから抜けることが可能だと著者はいう。体感を言葉に置き換えておくことの意義を語る。体験が経験になる、現象学的に…

オヤジのあくび549

諏訪正樹「身体が生み出すクリエイティブ」を読む1 漫才のボケを例にして、普通は想定しないものごとにパッと「跳ぶ」。目のつけどころが良くて新しい視点をもたらすことは、クリエイティブであることの必要条件だと言う。しかし「跳ぶ」ことはあくまでも結…

オヤジのあくび548

小西正一「小鳥はなぜ歌うのか」を読む2 「どこでどう鳴くか?」は、周波数との関わりで説明してくれる。一般に森の中の小鳥は低周波で鳴く。高周波の声は樹々の枝に遮られて届かないからだそうだ。それよりも大切なのは、自分達を捕食するタカやフクロウか…

オヤジのあくび547

小西正一「小鳥はなぜ歌うのか」を読む1 普通、動物が声を発する時、それを鳴くとか吠えるとか言う。けれど小鳥の鳴き声は「歌う」なのだ。中世のヨーロッパ人は小鳥に鳴き声をフラジオレットで学習させようと企んだ。小動物とのコミュニケーションとして微…

オヤジのあくび546

近藤勝重「昭和歌謡は終わらない」を読む3 美空ひばり、俳優畑から石原裕次郎に高倉健、ちあきなおみ、北島三郎・・と昭和歌謡史を彩る歌手の思い出を語っていく。紹介される歌は、すぐに口ずさむことができるし、声や歌い回しも思い出せる。これが昭和歌謡…

オヤジのあくび545

近藤勝重「昭和歌謡は終わらない」を読む2 コロナ禍以来、電車やバスの窓が少し開いている。けれど元々は下から上に大きく開いて、旅行中は車内から駅弁を買っていたものだ。駅のプラットホームは今も昔もわかれの場だけれど、汽車なら間に合うのに電車は無…

オヤジのあくび544

近藤勝重「昭和歌謡は終わらない」を読む1 話は、石川さゆりの「天城越え」からスタートする。改めて歌詞を読むと何ともおどろおどろしい言葉が並んでいる。心の底に渦舞く情念を歌い上げる演歌は、やはり個人芸だと思う。せいぜいデュエットか? 日本の歌は…

オヤジのあくび543

洞口和夫「京急沿線謎解き散歩」を読む 謎解き散歩の難しさは、それが京急の謎なのか? その土地にまつわる謎なのか? 境界線が難しくその土地の話をするほど京急から話題が離れてしまう。 それでも現在に通じる話として感心したのは、関東大震災の十日後に…

オヤジのあくび542

岡田直 監修「地図で読み解く京急沿線」を読みながら、思い出すこと3 横須賀の叔父さんの家に行く楽しみに、大楠山ハイキングがあった。三浦半島最高峰の山に行くのだ。最高峰と言っても241mなのだが、まだ小さかったせいか、すごく楽しみにしていたことを思…

オヤジのあくび541

岡田直 監修「地図で読み解く京急沿線」を読みながら、思い出すこと2 上大岡には仕事を終えてから、よく飲みに行きました。WING開業で飲み屋街が無くなった後は、中央商店街に出かけていたものです。相鉄ジョイナスの地下にもありますが、ボクはカレーの「リ…

オヤジのあくび540

岡田直 監修「地図で読み解く京急沿線」を読みながら、思い出すこと1 まえがきより。阪神ファン、西武ファンと言えば、野球チームのファン。補足すれば一昔前の阪急ファン、南海ファンも同じ。けれど京急ファンと言えば、それは純粋に電車を愛する人々のこと…

オヤジのあくび539

残る作品、残る演奏 小船先生が横浜国大で講義されていた頃と、私の学生時代は被っていそうなのだが、残念ながら受講した経験がない。教員として初めて着任した横浜市立深谷小学校の校歌が小船先生の作曲であり、当時音楽室の黒板には小船先生の自筆譜が消さ…

オヤジのあくび538

和田美代子「声のなんでも小事典」を読む 小事典となっているが、声に関するQ&Aを71項目列挙して、声に関する疑問や悩みについて解説していく仕組み。ボク的にはつまみ食い的に、気になった項目について手を伸ばしてみたい。 NHKに「おかあさんといっしょ」…

オヤジのあくび537

金井良太「脳に刻まれたモラルの起源」を読む ボクの読書履歴を辿ると、一周回って元に戻って来ました的なところがあって、オヤジのあくびで言うと434〜道徳や倫理関連の本を読んでいる。 モラルファンデーション理論。傷つけないこと、公平性、内集団への忠…

オヤジのあくび536

赤坂英一「最後のクジラ」を読む 監督代行を務めていた時期から話は始まる。えっ、田代さんって監督やっていたの? ほとんどのファンが忘れかけている突然の監督就任とその後の苦闘を著者は追いかけている。シーズン途中で監督が代わるのだからチーム状態が…

オヤジのあくび535

岩田光央「声優道」を読む 著者の名前を聞いてピンと来ない方は、大友克洋のAKIRAで主役金田正太郎の声を演じた人と言えば、通じるだろうか? 教え子がプロダクションに所属していたことがきっかけで、芸能マネージャーと挨拶をしたことが一回だけある。その…

オヤジのあくび534

磯田道史「無私の日本人」を読む 本書は史実に基づいた歴史小説として読めるし、実際登場人物の感情の起伏を書き込むことで、読み手の気持ちを引き寄せることに成功している。 初めは穀田屋十三郎。仙台藩吉岡宿の困窮を救うために奔走する商人の姿を描いて…

オヤジのあくび533

門馬忠雄 「プロレス酔虎伝」を読む 題名でわかるように、酒をこよなく愛するプロレスラーたちのエピソード集です。ボクシング担当からプロレス記者に担当替えを命じられた著者は、プロレスラーに接近するために、とにかく一緒によく飲んだ。そこでオナラが…

オヤジのあくび532

高坂勝「減速して生きる ダウンシフターズ」を読む。 著者が小売業界にいた頃、業績悪化に並行して指示系統が縦化されイエスマンが増えてきたと言う。翻って教育現場でも業績悪化については検証しづらいが、同様のことが言えそうです。子どもたちに自由の大…

オヤジのあくび531

ウスビ・サコ「アフリカ人学長、京都修行中」を読む 京都特有の本音をストレートに言わず、極めて婉曲的な言い方を著者は京都コードと言う。著者がこの言い回しに苦労した様子が語られる。明日香、奈良、京都と並べて、結局訪れる回数は多いのだけれど、ボク…

オヤジのあくび530

河野太郎「日本を前に進める」 何か期待できそう。経験に裏打ちされた行動や発言から、希望が持てそうな気がしてくる。俊足自慢は置いておいて、ワシントンの大学で国際関係学を学び議員のインターンをしていたことや、帰国後富士ゼロックスに入りテレワーク…